塾より和歌だ!
2018-10-08
和歌文学会大会研究発表言葉・文化の伝承を紐解く作業
僕らの言葉のDNA
第64回和歌文学会大会2日目研究発表会。7本の研究発表がなされたが、うち3本は7月の関西例会が豪雨の影響で中止になったゆえ、発表者が繰り越しでなされたという状況もあった。今年の天変地異のごとき様々な自然災害は、現在の社会の状況になんらかの啓示を与えているように思えてならない。昨年は10月も3週目に大会開催を設定したにも関わらず、台風に見舞われた宮崎大会。ご来場いただいた会員諸氏には、むしろ記憶に残る大会になったようだ。だが文学系の研究学会に対する風当たりは、昨今の豪雨や台風かそれ以上に激しさを増している。7本の研究発表からはそれぞれに学ぶものがあったが、それだけに社会的な意義と関連させて考えたくもなる。
文学系研究学会の今後のあり方・運営については、様々な懸念があるのは事実だ。まずは、事務局担当校や大会開催校を選定するだけでもままならない。この2年間に関しては、同窓の仲間が事務局を担当し、仲間の何人かの研究者がそれを支え、僕は地方大学の利を活かして大会開催を担当するチームワークであった。恩師や先輩を同じくする同窓の研究者たちの仲間意識で、運営が支えられた部分も相当にあるように思う。この日の総会でその任を終える事務局長は、感慨深げにこんなことを語った。「今日この会場に来る際に、塾の鞄を下げた子どもたちをたくさん見ましたが、あの子どもたちに和歌のよさは伝わっているのでしょうか?」概ねこんな趣旨であった。「説明文」の学習などでの技術的な「読み」ばかりを、「論理的思考」の名の下につまらなくとも押し付ける教育。そして不毛な入試による、学力の負の連鎖と階級化。純朴に「和歌を読む」、それは「人のこころをよむ」ことに他ならないのだが。
人文学の軽視が招く荒ぶ社会
僕らの世代がどう繋いで行くか
和歌の魅力を存分に社会にわからせて行きたい
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