面白がって平気で生きる
2018-10-03
「おごらず人と比べず面白がって平気で生きる」
樹木希林さんを悼む・・・
確か僕が中学生の頃だ。チャリティーオークションがTVで盛んに行われる風潮があり、民法各局がこぞって個性を出そうと番組を作っていたような気がする。そのある番組を観ていると「悠木千帆」なる女優さんが出ていて、自分の芸名をチャリテーとして売るのだと言っていた。当時の僕はあまり視野が広い方ではなく、「こんなによい名前を売るなんて人はおかしいのでは」などと考えつつも、興味津々にオークションの買い手が決まるまで画面を観ていたと記憶する。その後、売られた「悠木千帆」がどうなったのかは、ほとんど誰も知らない。むしろ売った当人が「樹木希林」という妙に鮮烈な響きのある芸名に変更し、さらに個性的な女優として活躍の場を広げたことが多くの人々の記憶に刻まれたのである。
「き・き・き・り・ん」である。「危機」とも「機器」とか「聞き」にも「利き」にも聞こえてきて、また「キリン」にも「麒麟」にも連想が及ぶ。しかし漢字を見れば「樹木(じゅもく)」の「希望の」「希(まれ)」な「林」という、何か奥深いものを感じさせた。その希林さんが生涯を閉じた。癌と向き合いながら自然と自らの寿命を悟り、多くの人々に「手紙」を遺したと云う。娘さんに宛てたメッセージの中に、冒頭に記したような趣旨のものがあった。まさに、希林さんの生き方そのものではないか。その存在感からしたら大女優に違いないが、彼女は「おごらない」。「自分」は「自分」で「人と比べず」という確固たる信念がある。そして何より人生は「面白がって平気で生きる」という、できそうでできないことを悠然と体現する。女優としての名演技、または郷ひろみさんとの歌手活動など、僕自身の脳裏にも彼女の生き方が焼きついている。
生きるとは「面白く」
そしてまたいつも「平気」で
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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