手作り朝食のごとく
2018-09-24
ビジネスホテルの朝食お決まりか手作りか・・・
地方にある微細で大きな葛藤
第9回九州国語教育学会2日目。10時開始の発表を前に恒例にて早めに起床。会場となる大学から一番近いビジネスホテルを宿としたが、ベッドの硬さなど聊か普段とは違う睡眠を経る。予約プランで「朝食なし」としていたので、近隣でどこかを探そうと試みた。だが僕の勤務校もそうであるが、地方国立大学のキャンパス近くで気の利いた食事のできる店を探すのは至難の技である。スマホのマップ上に出て来たのは、「m」印の赤い看板のファーストフードであった。若い頃から”あの店舗”の脂の匂いに弱く、もう以前入店したのがいつかの記憶もないほど使っていない。半ば「仕方ない」と決意してホテルのロービまで降りると、併設の朝食会場となるカフェが目についた。フロントの方に「コーヒーだけでも飲めますか?」と尋ねると、「はい、言ってみてください」という返事。やはり「m」の看板に行き着くことはなかった。
入店すると「朝食付きプラン」の方々が食事券を出して食べている。とりあえず「珈琲飲めますか?」とカウンターのご婦人に言って着席。しばらくは珈琲を待ち・飲みつつスマホにキーボードを接続し小欄を記していた。他のお客さんがいなくなると、カウンターのご婦人が「涼しくなりましたね」と声を掛けてくれた。これを契機にあれこれこの街のことなどお得意の世間話に花が咲いた。なぜここに大学キャンパスがあるのか、どんな経緯を経てこのホテル併設カフェを経営しているのか、など次第に話は具体的なことに。僕自身も研究学会で赴いていることや、研究分野のことまで話すようになった。すると「うちは手作りの朝食を出してます」とご婦人が云った。「m」の看板に入店して極力脂のないものを食べようと模索していた僕には「灯台下暗し」、こんなにもいただきたい朝食がすぐそばにあったというわけであった。
秋刀魚に野菜のお浸しとサラダ
判で押したような朝食ばかりのビジネスホテルでこんな家庭料理
まさに地方でこそすべき仕事のあり方ではないだろうか。
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