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たとえば五七調のような

2018-09-13
「日本らしい音のリズムで、
 上手にふんわり曲にして表せたら、
 それはそれで最高だと思うんですが。」
(桑田佳祐さんの『文藝春秋』特集での発言から)

『文藝春秋』が「サザンと日本人の幸福な40年」という特別企画を組んでおり、早速購入して読んだ。まさに国民的ポップス・ロックグループとしてこの40年間に「文化」を築いてきた「サザン」と僕自身もとらえていたので、他のミュージシャンにはない部分を炙り出してくれようと期待していた。ヒットを連発した往時の回顧のみならず、サザンが今も常に新鮮であるのは「新曲」を創り続けているからだという「必然」などに、ふと気づかされる「独占手記」となっている。また原由子さんと作家の角田光代さんの対談記事もあって、音楽パートナーとして妻として桑田さんを表裏から支えてきた原さんの人間味が知られて興味深い。

さらには、特別寄稿では内田樹さんが「古代以来の国ほめ歌謡」であると位置付ける嬉しい記事もある。音(韻律・旋律)とことばの微妙なバランスに「揺さぶられて、自分の中で何かが変わってしまう」ような「(最後の)国民歌謡」だとするのである。また先日のトークで少々発言もあったが俵万智さんも寄稿されており、ご自身の『サラダ記念日』に三首の「サザンオールスターズ」を詠んだ歌について書かれている。「短歌に固有名詞を使うのは、一つの冒険だ。」と歌作りの要点にも触れつつ、『サラダ記念日』とともに色褪せない「サザン」の「文化的定着度」を考えさせられる。そして何より僕自身が大変興味深いのは、冒頭に記した桑田さんの発言である。「タブーもさらりと歌いたい」という趣旨の中で、なぜ「五七調」なのか?それが「日本らしい音のリズム」と認識している天才的な音感から創り出される、さらなる曲に期待が高まるのである。

詳細はぜひ同誌をお読みいただきたい
「歌謡」「短歌」「五七調」
普遍的な「うたの力」とは何かを追究したくなる。


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