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熱き三十一文字の闘いー第8回牧水短歌甲子園予選リーグ

2018-08-19
没後90年牧水生誕の地で
高校生たちの三十一文字の熱き闘い
心とことばの応酬ここにあり

「若ければわれらは哀し
泣きぬれてけふもうたふよ
恋ひ恋ふる歌」(若山牧水)

今年も若山牧水の生誕地である宮崎県日向市にて、熱き甲子園大会が始まった。高校生が熱くなるのは何も野球ばかりではない。短歌に心を載せその素晴らしさに対して舌戦を闘わす、まさに高度な文化的な闘いがこの日向の地で毎年展開している。今年は、北は北海道まで総勢53チームの応募があり、そこから予選を通過した12チームが昨日から始まった本戦に出場した。さすがに予選を通過しているだけあって、どのチームが出す歌も納得の読み応えある歌が多い。この日は1次リーグ12試合が行われたが、題詠は「涙」「贈」「恋」、いずれも青春時代の高校生が詠うには格好の題である。審査員は委員長の伊藤一彦先生を始め、俵万智さん・大口怜子さん・笹公人さんのお三方。また今年から進行役のフィールドアナウンサーは、この大会のOBOGが務めることになり、8回の歴史が新たな人間的関係を築きつつあるのがわかる。

朝9時過ぎから夕方6時近くまで、長時間にわたる闘いはどれも見応えがあった。また選手たちの舌戦とともに審判員お三方の評が実に的確かつ温かく、深い短歌の「読み」の学びとなる。高校生たちの闘いを味わいながら、観客席から自分なりの評を頭の中で描く。勝敗を始め審査員の方々がコメントした際には、自らの観点と評の観点を比較する。ここでは、そのいくつかを覚書として記しておこう。上句と下句が予定調和ではない。近過ぎても飛躍し過ぎてもよくない。短歌は場面と思い、三十一文字を使い切る。抽象をどれほど具体で表現できるか。比喩の質の奥深さが勝負。「恋」という題詠に正面から向きあう歌。古典的な要素を入れた歌に期待を覚える。

夜は高校生たちと交流会
各校のパフォーマンスに酔い痴れた
本日はいよいよ準決勝・決勝が開催される。


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