山に見つめられて
2018-08-12
「山の日」になにを願おう蝉時雨は次第に虫の音に・・・
立秋も過ぎて風の音と樹々の香りも
耳を澄ませば聞こえないこともないが、一時期よりすっかり蝉の鳴き声が減った。その代わりというわけではないが、夜になると庭の地上のあたりから何らかの生き物の鳴く声が聞こえる。蝉の鳴き声もそうだが、鳴き方でその種類を判別するほど精緻に聞いているかというと、喧騒に追われる日常ではいかに聞き流しているかがわかる。「ミンミンゼミは午前中、ニイニイゼミは主に午前中と夕方、ヒグラシは早朝と夕方、アブラゼミは昼から夕方、ツクツクボウシは主に午前中と夕方」であると『平成ニッポン生活便利帳』に教わった。庭に鳴く生き物の種類も気になるが、鳥の鳴く音を含めて「自然にあって生かされている」人間存在そのものを、もっと自覚してもよいのではないかと思う。
雨が降る大地への恵み、その後の草の芳香に気持ちが深く和らぐ。土があり雨水が浸み込み、大地は呼吸をしている。その自然の中で鳥たちも虫たちも、自らの「生」を全うしている。恐らくは人間だけがその自然にあらがい家に籠り、自らの身を脆弱にして来てしまったのであろう。「安全・快適」を旗印にした近代化の波は、逞しい生き物たちと人間との距離を大きく隔ててしまったのかもしれない。地域で親しい知人が、新米が獲れたと自宅まで持って来ていただいた。この土地で生き、その土地に実る米を食べる。立秋直後に「実りの秋」を実感できるのも、この風土ならではだろう。
山は僕たちを見つめている
真に「親和的」とはなんであろうか?
「近代化」と名乗る愚弄な争いの歴史を、僕たちは注意深く拒む必要がある。
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