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初年次教育と高校生

2018-07-28
「大学教育入門セミナー」最終回プレゼン
「国文学史Ⅰ」の講義には高校生が聴講
大学教育と高等学校の教育と

この前期は輪番担当の「大学教育入門セミナー」の人文系を、社会・英語の先生とともに担当しており、この日が最終回であった。前半は「大学の学び」とは何か?ということを考え、学術文章の書き方を学び、後半は各自が選んだテーマを班別に課題研究をするという内容であった。最終的に基本的な分量のレポート文章が書けること、また様々な資料のあたり課題を解明しプレゼンテーションができる力を目標としている。学生の専攻教科は問わず、課題研究班は自由意志で構成され、僕が提示した課題である「若山牧水の恋」と「俵万智の青春と恋」というテーマに、全体の三分の一である15名の学生が集まり課題に取り組んだ。ちょうど附属図書館に「グローカルカフェ」というコーナーが新設され、「短歌県みやざき」に関連した歌集などを一箇所に配架されるようになった。そのコーナーの書籍を使用しながら、「牧水」と「俵万智」の主に青春の恋の歌を中心に、学生たちは歌と真摯に向き合った。プレゼンは短歌班は「電子黒板」を使用し、資料提示も上手く運び、それなりの成果を上げることができた。

午後になって「国文学史Ⅰ」の最終回講義。大学至近で連携協定を結んでいる高等学校から、1年生が20数名大学の教室へやってきた。ちょうど上中古文学史のまとめを学生との対話で醸成しようと考えており、日常通りの講義を展開することにした。平安朝文学の巨塔たる『源氏物語』について現状で知っている知識を考えてコメントする。18名の学生たちは各々がそれなりに様々な要素を語ってくれて、国語選考に入学する学生の資質を高校生に示すことができた。その後は、『源氏物語』に至るまでにその基盤となった要素は何か?という問いから作品名や歌人名などに影響関係のコメントを付しながら発表するという形式で進める。文学史は単なる暗記では決してあってはならず、自らが「説明」できることが大切であるという考えによるものだ。同時にこれまでの14回の講義で何が身についているか、ということの確認にもなる。大学の大きな役割として、入学前の高校生や高等学校の先生方に、「学び方」を提案していく責務があると僕は思う。特に地方国立大学は、入試のあり方や地域に関連した学びのあり方を積極的に発信する責任があるはずだ。講義は大学教員が喋るだけのものにあらず、学生との対話を通して学びを創り、将来教師になるために活用できる「知識」と「情報の送受信能力」を連動させて展開する必要がある。

かくして前期の二刀流講義担当が終わる
学生が発信できるようになる
その姿にこの上ない喜びを覚える。


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