〈コンコルド効果〉に陥る勿れ
2018-07-20
別名「埋没費用効果」「超音速旅客機コンコルドの商業的失敗」
身の回りの小さなことにもあるかもしれず
ある友だちのSNS投稿のシェア記事に、「コンコルド効果」という用語を発見し興味を持った。ウキペディアによればこの用語の概要を「ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をつづけることが損出につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態を指す。」とある。言わずもがな、冒頭に記したように超音速旅客機”コンコルド”の名称を皮肉的に使用した用語である。この負の「効果」のために「超音速」の夢は、大事故を起こすまで後に引けないという悪夢になってしまったわけだ。確かに僕なども幼少の頃に図鑑を読んでいて、機首が離着陸時と飛行時に屈曲変化する「超音速旅客機」に憧れを抱いた記憶がある。だがしかし、ヒトが「音速を超えて移動する」という誠に不自然な営為に今は無益を感じるのみで意義を見出す感覚を持ち得ない。
多くの犠牲を含めて旅客機〈コンコルド〉ほどの損出ではないにしても、僕たちの身近でこのような「勇気ある撤退」ができない事象がまだまだたくさんあるような気がした。昨日の小欄にも記したように、「逃げる」ことはひきょうなことではないのである。むしろ人は積み上げてきたものを一旦は崩して、そこから再び這い上がるために生きているのかもしれない。同じ場所で変化もなく石を積み上げていれば、やがて苔むして危うい高さで揺れているのにも気づかず、それが自らに崩れ来て怪我をしてしまうかもしれない。むしろ積み上げて来たものは、潔く一旦リセットしていつも適切な高さを保つ方が得策ではないのか。堆積はむしろ、進歩なき固着に過ぎないのではないのか。人間の身体を考えてみれば、脳も筋肉も新たな使い方をし続けなければ頽廃してしまう。多くの情報を入れて負荷をかけ、それを自分なりに表現していく。筋トレで人工的に断裂を起こさせ、その修復する力を維持することが肝要なのだ。
苔むした「授業」「講義」をしてはいないか?
うず高く積まれた書物は埃をかぶってはいないか?
撤退・更新する勇気をあらためて・・・
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