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牧水から古典和歌への旅ー放送大学対面講義(1)

2018-06-24
五七調の力動性
「あくがれ」の思想
近現代短歌に声の文化と古典性を展開した牧水

この週末の休日を利用し、放送大学宮崎学習センター対面講義の非常勤講師。題して「若山牧水から古典和歌への旅」とし、85分を2日間で8コマ担当する。初日は、(1)牧水短歌の力動性、(2)近現代短歌史における牧水、(3)「あくがれて行く」古典和歌へー西行・和泉式部、(4)『古今和歌集』の表現方法ー素性・業平ーという4時間構成とした。やや激しい雨で、交通状況も心配されたが、受講生の方々は熱心に教室まで通ってこられた。宮崎県内の方のみならず、九州各地及び遠い方は三重県からなど、講義テーマを求めて遥々来ていただいたことには頭が下がる思いである。年齢や規定通りの学歴を問わず、「学ぶ」という意欲を持つということが、人としていかに大切かにあらためて気づかされる。

講義冒頭では、牧水の「白鳥は哀しからずや」「けふもまた心の鉦を」「幾山河越えさり行かば」の三首において、どの歌が一番好きか挙手で投票をしてみた。偏ることなく三首それぞんれの好みがあって、さすがに牧水の代表作三首である。お昼まで講義をしたのちに、好きな理由もレポートしてもらったが、それぞれに自分の思いを起ち上げて読むコメントは若い学生にはない人生の深みが感じられた。また「白鳥」の歌などは、多くの方が中高時代に教科書で読んでいるわけだが、その経験をあらためていま再読する意義が大きいということを感じさせた。中高時代の学習というのは、あくまで人生の「種蒔き」であって、その時点ですべてを「わからせよう」というのは教師の傲慢であることを考えさせられる。それにしても好きな短歌・和歌を素材にして語る講義はあっという間である。受講者ともども「心の鉦」の響き渡る時間が貴重であった。

夜は日向市の親友夫妻と会食
馴染みのお店で「へべすうどん」
牧水の生誕地で講義が担当できる幸せ


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