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『光の庭』伊藤一彦歌集

2018-06-19
昨年の日々が短歌となって
Webで読んでいたことが一冊になる感慨
「左注」に何度も名前を出していただき・・・

伊藤一彦先生の第十五歌集『光の庭』が発刊された。昨年の1年間、フランス堂のWebsiteに「短歌日記」として毎日掲載された歌群の書籍化である。その題に込められた思いが帯に表示され、「宮崎全体が『光の庭』である」とある。ご自身の「あとがき」にもあるように、ご自宅の庭にて詠う短歌が多いのも伊藤先生の個性であろう。だがその「自宅の庭」という限られた世界を、県内全体に見立て、さらには広大な宇宙のごときに思えてくるような歌には、自ずとその世界観に惹き込まれることが多い。果てしなく遠くまで行くためには、眼前の現実空間をいかに描写することからしか歩き始められない。こんな偉業へ向かう足跡さえ感じさせる歌集と思い、その装幀の素晴らしさとともに味わい深いものに仕上がっている。

「あとがき」に拠れば、依頼を受けてから即答せず「返事を待ってもらった」のだそうだ。理由は毎日歌を作り続けられのかと自分に問い掛けたのだと云う。だが今の(先生の)年齢だからこそ「できる」と思って始めたと述懐されている。僕などは1日1首とは思いながら、なかなか儘ならないものだ。伊藤先生ほどの歌人でも、日々を1首にしていくことに大きな決意がいることを知り、あらためて歌作こそ「生きる」ことそのものであると感じさせてくれる。昨年は10月の和歌文学会大会を始め、牧水祭での対談、宮崎大学短歌会の躍進のことなど、「左注」とされる歌の後の文章に何度か僕自身の名前も刻まれている。この短歌日記が成された1年にあたり、伊藤先生との交流が深まった証として誠にありがたい限りである。

先日、伊藤先生の夢をみた
初期歌集の「闇」を主題する歌と対照させ、
まさに伊藤一彦先生の「生きる」が深々と味わえる歌集である。


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