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主体的に詰め込めばよしー「金原亭馬治独演会」清武町

2018-05-21
ガールスカウト宮崎県第15団
45周年記念事業「金原亭馬治独演会」
ガールスカウト団員の一席に考える

約3年越し計画の独演会開催当日となった。もう3年も前のことだ、僕の大学公開講座にいらしてくれたガールスカウト世話人の方が、金原亭馬治師匠の落語に惚れ込み、ぜひ「記念事業」での独演会をお願いできないかというご依頼をいただいた。地域の方に僕自身が展開する人的資源を提供し、さらにその内容を地域の人々に還元することが実現して、公開講座の理念としてもありがたい展開であった。その交渉の過程で、世話人の方が「ぜひ団員の子どもにも落語をやらせたいのです」というご相談をいただいた。馬治師匠は関東で活躍するゆえ、頻繁に宮崎で稽古をつけてもらうわけにもいかない。(当初はそんなご要望もいただいていたのだが)相談を重ねるうちに、落語のCDなどの音源を使用して落語ができそうな子どもに覚えてもらいます、ということになった。それでもなお、世話人の方は子どもが本当に落語ができるようになるのか、不安で一杯のようであった。

さて昨日となり、午前中に記念式典に続き馬治師匠の「落語入門」で「牛褒め」、その後、前述した団員の中学生による一席の時間となった。演目は「時そば」、言わずと知れた落語の定番名作である。「そばぇ〜」と開口一番呼び込み声もよろしく、高座名「三日月亭こんぺいとう」さんは蕎麦屋と客との絶妙なやりとりをみるみる展開してくれた。ほとんど言葉に詰まることもなく、1月から覚えはじめたというが堂々たる一席であった。その後、馬治師匠から講評、蕎麦を食べる所作などをはじめとして公開稽古の一幕もあって、和やかな雰囲気のうちに記念事業の前半もお開きとなった。昼休みとなって馬治師匠が、「詰め込みがいけないわけではないですね」という趣旨のことを言った。「こんぺいとうさん」の好演に現れたように、発表機会があって聞く人との関係性が充実しており、「詰め込んで」いるうちに内容に興味を持つような過程であるならば、「詰め込み」もまたよしということであろう。小中学生のうちは頭も柔らかくなんでも吸収できる時期、問題は強制や抑圧的に「させる」からであり、落語のような音声言語も読書による文字言語も際限なく詰め込むべきではないのだろうか。「詰め込み」が「悪」なのではなく、それを扱う指導者の姿勢に問題があったということだ。

午後は独演会「子褒め」「片棒」「天狗裁き」
お仲入り前に「落語トーク」の聞き手を僕も務めた
大学の地元・清武町の方々に馬治師匠が豊かな笑いをもたらせてくれた。


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