上の句と下の句の反転推敲ー第323回心の花宮崎歌会
2018-05-06
上下の入れ替えを試みる語順をあれこれと入れ替えること
固着した自らの感覚からの脱出
GW真っ最中であるが、心の花宮崎歌会が開催された。この日も46首の出詠、高校生をはじめとして老若男女が集い、見学の方も含めて様々な歌について語り合う場となった。毎度のごとく活発な議論となるが、この日は推敲案として「上の句と下の句を反転させる」という方法が比較的多く論じられたように思われる。出詠歌に関して具体的に反転を試みてみると、歌の各句の役割や構成がはっきり見えてくるようであった。歌の主眼は何であるか?結句の表現によって歌をどう着地させるか、はてまた飛翔させるか?「体言止め」か「言いさし」にするかなど、反転によって試行できることは数知れない。また各句は本当に必要な表現なのか?漠然とした説明になってはいないのか?など歌の欠点や効果が顕になるものである。日頃の作歌からこれを試みているようであるが、なかなか積極的には試行していない自らに気付いたりするものだ。
別な話題として「歌会」を「かかい」と読むか?「うたかい」と読むか?についても語られる機会があった。概ね心の花において東京は「かかい」、宮崎は「うたかい」という結論?となったようだが、簡単には判別しないものである。「東京人」のフリをするには「かかい」と読めばよいという冗談も出たが、こうした用語の読み方は慣習的であり、なかなか根拠を見出しづらい。手元の『日本国語大辞典』(ジャパンナレッジ版)を引けば、「うたかい」の見出し項目があって「かかい。(とも)」となっているので、やはり読んだ際に一般の人にも意味が通じる「うたかい」の方が、用例的にも古いことは確認できるのであるが。同じように歌の数詞である「首」の由来なども謎に包まれた用語であるという話題が登った。
変わらず懇親会まで和やかに
月1回ながら濃密な語らいの時間
次回6月歌会は恒例、ゲストをお迎えしての盛大な会に。
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