なにゆえに旅に出づるやなにゆえに旅に
2018-05-01
牧水の常なる自問自答なにゆえに旅に出づるや
人生を集約的に見せてくれるもの
航空機や新幹線がこれほどに整備されてきたここ50年ぐらいで、「旅」への感覚というものの大きく変化したのだろう。移動すべき距離を実感するには、あまりに速く便利に目的地に到着してしまう。国内のみならず海外であっても、それほどの「距離」を感じずに、会いたい人行ってみたい場所に到達することができる。これだけを考えても、牧水の生きた明治・大正期とは感覚が大きくズレてしまっているのかもしれない。学生時代に「青春18きっぷ」などという企画乗車券を利用して、敢えて普通列車のみの旅によく出たことがある。1日24時間を最大限に利用して、最高は東京から広島まで。その距離を心身に刻み込んだ、よい経験となった。こんなことを考えると、人生そのものも新幹線的感覚ばかりで、見逃してしまっているものがあるのかもしれない、などと危うさを覚えることもある。
訪れた土地で出逢う人々、宿の人・飲食店の人・偶然に席を共にした人等々、様々に逃したくない問い掛けをしたくなってしまう。今回出逢った90歳を越えた茶店の女将さんは大正時代創業から4代目とか、お団子をいただいて美味しかったが、その餅米の効用もよろしく綺麗なお肌が印象的であった。オープンテラス式の店では、なぜか九州料理に出逢った。どうやら店長が長崎であるというが、九州の優秀な食材を活かしているという意味で好感が持てた。少なくともこうしてお店の人へ問い掛けをして、何らかの情報を引き出してみること。旅の面白みが確実に倍増するのである。そのような姿勢を、あらためて友人の社交性から学ぶ機会でもあった。空港という場所は嫌いではないが、常に前述した理由から後ろ髪を引かれる切なさや虚しさを覚えないではない。飛び立てば一気に、馴染み始めた土地が見る見る遠のいてしまうからだ。
日常にない時間を過ごす
心を今一度整理してみる
かくして本日より「ほととぎすなくや皐月のあやめ草」
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