鶯の鳴く音を聞きながら
2018-04-23
休日の研究室へ閑静なキャンパスから鶯の鳴き声自慢
資料読みの気分もよろしく
落ち着いた気分の休日は、活きた午前中の時間が尊い。人気のないキャンパスへと徒歩で出向く。車で疾走してしまうとまったくもってわからないが、新緑の香りが漂い鳥たちは楽しそうに樹々の間で歌を競っている。こうして自然と親和的関係を結べば、自ずと生活や思考にリズムが生じてくる。鳥たちの鳴き声の韻律や間というのは、誠にもって精巧なものである。以前にも小欄に記したことがあるが、鶯というのは仲間らと鳴き方を競演することによって自らの鳴き方の精度を高めて行くのだと云う。いわば現在の教育で流行りの「対話」によってこそ、鶯がウグイスたる自己存在を保障しているようだ。
牧水は、鳥の鳴く声にかなり精通していたと云う。山中を旅している折など、鳴き声で鳥の種類を聞き分けることができた。やはり「耳のよい」点と自然との親和性には、相関性があるはずである。それが、牧水自身の韻律豊かな歌の自発的な要因になっているのではないだろうか。理屈で教わったわけではない自然の韻律は、鳥の鳴く音に限らず人間の気分を豊かなものにしてくれる。清流のせせらぎや、寄せては返す波音もまた然り。そんな牧水の破調歌を資料として読んでいたために、余計に鶯の鳴く音の韻律が気になってきた。どうやら今年の鶯さんは、仲間との対話も十分にこなしている鳴きぶりである。
その後は青島で波音を聞き
親友の店でお世話になった方に熟れてきたマンゴーを発送
夜は掛け流し温泉の滴る音に耳をそばだてて・・・
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