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「なぜ?」を抱きて読み続ける

2018-04-20
『源氏物語』を扱う講義
冒頭で語られる様々な「なぜ?」
わからなければ読み進められない訳ではない

講義も2週目で、内容も本格的にテキストに入り始めた。木曜日は2年生を対象とする「国文学講義III」があり、『源氏物語』を扱っている。もちろんこの日は、冒頭についてということになるのだが、学生に聞いてみるとほとんどが高等学校の古典で学習済であるようだ。「桐壺」と「若紫」というのが高等学校教科書採録個所としては、ほぼ『源氏』の定番であるといってよい。そこで学生たちがどのくらいこの冒頭部分の「なぜ?」に見解を持てるかという意味もあって問いを発し、「個人→少人数班」と段階を追って考え発表する形式で講義を進めた。

大学で身につけさせたいことは、「読む」=「考える」という姿勢である。高等学校まではどうしても「答えを待つ」ことが避けられず「読み流す」ようになってしまい、立ち止まって自ら考える姿勢はつきにくい。今「立ち止まって」と記したが、「立ち止まる」と同時に「なぜ?を抱きながら読み続ける」姿勢も求められる。周知のように『源氏物語』は巧妙なプロット構造であるゆえ、読み進めればその「なぜ?」が次第に紐解かれていくテキストでもある。この日の講義で学生が考えたことが、これからの講義で読み進めていくことで解明されていく。その期待感を持つだけでも、大変意義のある内容となったと自負している。

「いづれの御時にか」?
中宮が不在であるのは?
「なぜ?」一人の更衣だけが寵愛されたのか?


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