多様な受講生が生み出す学び
2018-04-10
新たな担当講義1年生配当教科専門科目
『伊勢物語』で恋を語ろう
今年度から、教科専門科目である「国文学講義」を担当する機会に恵まれた。これまでの5年間は教科「教育」科目の担当が主で、3年次配当のものがほとんどであった。まず教科専門科目は1・2年次配当、入学したばかりの1年生に大学での「学び」を講ずるという役目もあるように思う。また専攻の学生のみならず他のコースの学生や留学生も受講するとあって、ほぼ「教師志望」の学生のみである3年次科目との違いも際立つようだ。このように目的や趣向の多様な学生たちと「学び」を創ることは大変面白い。「異質」な考え方が混沌としてこそ「文学」の講義としては意味があるだろう。
この講義の教材は『伊勢物語』、その和歌に恋の心情を様々に読んでいくことを目指している。この日はまず「(古来から)文学に描かれるテーマとして多いものは何か?」という問いに、まずは各自の考え方を挙げてもらった。その回答はまさに多様であり、これまでの学生たちの経験を背景により成り立っているように思われた。もちろん「恋愛」も何人かが挙げたが、大局的に歴史や社会を挙げるものも目立った。所謂「晴」と「褻」の両面を文学は描くのだということを如実に表しているようにも思えた。それにしても思っていたよりは人数も多く、多様性も豊かな受講生であった。さて来週からの講読がさらに楽しみになって来た。
さらに講義の授業戦略を練る
「素読」「講釈」「輪講」「会読」「質問」「復読」
そして「創作」などへ・・・俵万智さん著『恋する伊勢物語』も紹介。
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