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初志貫けと響くあの鐘

2018-03-18
正午の鐘が僕に語りかける
刻むリズムに微妙な間のあり
今日もまた初志貫けと再び火を・・・

「学校」では聞き慣れた「チャイム」であるが、生音の「鐘」であるとなぜか心の奥底に沁み入ってくるものがある。宮崎では延岡の城山公園にある鐘が有名であり、今でも鐘守りさんが住み込みで定時に鐘を突いている。牧水がこの故郷の鐘を詠んだ歌は有名であるが、母校・早稲田の鐘について詠んだ歌があるやなしや、まだ調査したことはない。早稲田の大隈講堂では、定時にまさに「生音」の鐘が鳴る。入学した学部時代から今に至るまで何度も聞いているのだが、とりわけその鐘の音が特別な語り掛けに聞こえる時がある。約10年間の現職中高教員を経験したのちのある夜に聞いた鐘の音は、「大学院へと入学せよ」と語っているようであった。その語り掛けに応じたからこそ、現在の僕があるのは言うまでもない。

独特な音程に微細な間をもって、その鐘は定時に早稲田の杜に鳴り響く。旋律は多くの「学校」にあるそれだが、音色は他では聞いたことのない重厚さがある。僕は受験をした時、開門の午前8時に先立ってこの鐘の下に控えており開門と同時に構内に入り、一番のりで教室へ入ったことを鮮明に記憶している。大隈講堂からさほど遠からぬ道路にバス停があり、そこから実家のすぐ近くまでを路線バスが通っている。在学時はこのバス路線、または都電で大塚駅経由、そして山手線のみの高田馬場駅の利用と三通りの通学手段を持っていた。場面と状況でこの三通りを使い分けていたことはまた、様々な思い出を創り出してくれた。その鐘がまた僕に新しい意志を起動させたのが、昨日の正午の音色であった。

己の初志を貫くとは
慢性化した自分を心の底から起ち上げる音色
宮崎へ赴き5年目の春に重厚な音が響いたのである。


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