語ることを語り合うまなび
2018-01-25
自ら語っている映像その姿を観てまた語り合う
客観視に有効なICT導入授業
附属学校園との共同研究では、年に3回テーマを持った研究授業を実施している。昨年度から今年にかけては「ICTの有効な導入」が課題となっている。今回は中学校の先生が、ipadを活用した授業を展開した。「ICT教育」というと指導者側が教材提示として導入することを、まずは第一にイメージするであろう。僕自身も一昨年には「デジタル教科書」を使用して中学校2年生で「漢詩」の研究授業をやらせてもらった。コンテンツにある音声教材や映像教材、工夫された教材提示ツールなどを使用して、学習者自身がICTに触れるわけではなかった。
今回の試みはipadを使用して、学習者が班内で語り合った様子を動画撮影し、その様子を自分たちで今一度視聴することによって、さらなる対話を促す内容であった。さながら「語ることを語り合う」と言ったわけで、その討論の内容はもとより自己の話し方の特徴や傾向を自覚できるという利点があった。多くの方がそう感じるであろうが、あの自分の声の録音を聴いた時の喩えようのない違和感は何なのだろうか?「これは私の声ではない」とまで思うのだが、他者の誰もが「あなたの声」だと認識するわけである。人は生きている上で、自分の顔も自分の声も自分の語り方も決して現実に外から見ることができない。そこにICTが活かされるのが、これからの教育の方向でもある。
タブレット使用に実に慣れた生徒たち
タコ足配線のヘッドホン使用も有効に
「自己」のあり方も時代とともに変化しているのかもしれない。
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