題詠「草」の若き香りよー第319回「心の花」宮崎歌会
2018-01-07
新年歌会の題詠は「草」大学生会員の名前から一文字
28年目に入った宮崎歌会・新年会
初春は歌から。新年になって待ち望んでいた「心の花」(宮崎)の新年歌会と新年会が、市内郷土料理の名店「杉の子」で開催された。数えること319回目で草創期からして28年目になり、この日の詠草上の歌数は46首を数えた。冒頭の伊藤一彦先生のご挨拶で、最初は数人で始め本日その時のメンバーでいらしているのは3名であると伝えられた。それを考えるとこの28年間で宮崎に、どれほど「心の花」会員が多くなったかをひしひしと感じるものがあった。かく言う僕自身も新年会への参加は3回目となるが、今この会に参加していられることに甚だ大きな幸せを感じるものであった。個人的には毎年、この新年会には和服で行くことが恒例となっている。和服に袖を通して向かう宮崎歌会は、心身ともに姿勢が整えられるような気分で誠に清々しい。もはや短歌がないと、宮崎歌会がないと新しき年はやって来ないようだ。
さてこの日の題詠は「草」で、宮崎大学短歌会で昨夏から「心の花」会員にもなった学生の名前にちなんでの題である。時節としても「七草」や発ちゆく草や薫香、そこに人生を載せて詠うものが多かった。また手紙文における「草々」や「追伸」「返信」などの語彙が使われた歌があったのも一つの特徴であった。さらには「百草園」「浅草」などの地名、そして「病草紙」「枕草子」などの固有名詞として詠み込んだ歌も。個人的には「草」そのものの実態から離れて「仕草」や「質草」などの語彙として詠まれた歌に興味があり、投票もそこに入れた。また歌会批評の中では、二つ以上の解釈を生じさせる歌の可否などについても話題となり、作者の表現の不備でなければ広く解釈できる歌として受け容れられ、名歌たるものもそうした歌が多いということであった。また題詠となった学生そのものを詠んだ歌もあり、若い会員が増えて来た宮崎歌会を寿ぐ気分があったことも今年の特徴であった。
『心の花』創刊から120年
牧水没後90年の記念すべき年にして
心いざたて稿に花咲け
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