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慌てるなかれゆっくりとあれ

2017-12-16
定時運航常識社会
車内に詰め込まれるように見知らぬ人と衣服を密着させ
慌てるなかれゆっりとあれ

上京のため宮崎空港の待合室にいると、なんともこの空港が素朴で使いやすい空港だとあらためてしみじみと感じられた。東西に主要滑走路が1本通り、10数本の到着ゲートがそれに沿ってあり、離着陸の際にはゲートからそれほどの距離もなく短時間で移動できる。奇しくも空港の大画面テレビでは「空港管制」を題材にしたドラマを映し出していたが、羽田空港の航空機の量というのは、“ドラマ”化するほど「異常」なのかと皮肉に感じられた。それにしても日本の航空会社ほど「定時運航」に執着するのも世界で珍しいように思われる。それは会社の方針というより社会の要請を受けたもので、電車・バスなどの公共交通機関を含めて「定時」を遵守する国民性に起因するものだろう。欧米を含めてアジアや中南米で経験した「公共」の時間は、いい意味で「ゆったり」としていた。

そんなことを考えつつ搭乗便は15分ほど遅れて羽田空港に着いた。機内ではその遅れに対して謝る内容が繰り返しアナウンスされる。東京の街に出るとちょうど帰宅ラッシュにぶつかり、おまけに浜松町から京浜東北線が何らかの事情で遅延しており山手線一本が頼りという状況。やや大きな荷物を携えている僕ながら強引に車内に押し込まれ、見知らぬ男のコートの繊維素材に接触体感する羽目になった。あまりに久しぶりのこの満員電車の感覚、やや眩暈を覚えるほどの嫌悪感を覚えた。その後、用件を済ませてから懇意にするバーに行くと、親友が扉を開けて入店してきた。そこからはこの「慌てる」ごとき時間意識の話題になった。和歌も古代・中世にはゆっくり時間をかけて朗詠されていた。一句ずつの意味を噛み締めて、次の句には何が来るかと予想してことばを自らの中に落として行く。現代において和歌・短歌を読むと多くが七五調で急いで三句目まで読んでしまい、一首全体を咀嚼する滞空時間が失われている。せめて牧水が得意とする五七調で読むと、少しは古代の時間意識に近づけるような気がするがいかがであろうか。

あらゆる分野において「性急」ばかりの世の中で
まさに「そんなに急いでどこへ行く」ではないか
「日向時間」の素朴な温かい心地よさが好きだ。


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