主張に育つ宮崎の美学ー宮大短歌会学祭慰労会
2017-11-22
忌憚なき主張を闘わせるそれこそが相手への理解と尊重の一歩
学祭を終えてまた大きく前進した短歌会の面々
大学祭での宮崎大学短歌会ブースでは、会誌第1号が約120部ほどの方々に配布されたと報告があった。当初はどのくらい配布できて、どれほどの新人勧誘効果があるかなど不安も大きかったが、こうした一石が次第に会の存在を知らしめ、やがては大きな波紋となって行くであろう。これも会員である学生たちが、学年を超えて協力し様々な産みの苦しみを経験しつつ踏ん張った成果である。赴任から今までの4年間は、学部の国語専攻のゼミ生としか深い関わりがなかったが、この短歌会のおかげで農学部・工学部の学生たちとも交流が深まり誠に嬉しい限りである。さらには彼らが対話や議論に対して、忌憚なき主張を闘わせる習慣を備えており、学年の上下関係や顧問である僕なども公平に「短歌」という表現の「学び」の中で向き合う姿勢があることに、ある種の驚きと深い感謝を覚えるのである。
昨夜も今月3回目の短歌会例会を開催。ある応募のために「奈良」の題詠を扱った。やや難しい題詠であったようだが、それだけに個々の歌への表現の豊かさがあらためて感じられた。応募作品ゆえに小欄での内容的言及は控えておくことにしたい。例会後は、学祭の慰労会へ。話題は多岐に及んだが、「意見の主張」を積極的にする姿勢について”主張”し合った議論がとても豊かな内容であった。自らのゼミの学生たちには、こうした姿勢を身につけられるように日常から工夫をしているが、自然と短歌会の学生たちも「主張」があるのが嬉しい。これも高校時代に「牧水短歌甲子園」やその他の文芸部での活動を通して、貪欲に「表現」を求めてきた面々であるからだろう。話題は「宮崎の将来の生きる道」などにも及び、世代を超えて「短歌」を見据えて、豊かな地方での生き方などの意見が交わされて、大変意義深い時間となった。昨今の学生に聊か物足りなさを感じていたが、一番身近な学生たちにこそ「主張」があったわけである。
「短歌」を創ることは「生きる」ことそのもの
ならば生活する風土のことにも無頓着ではいられない
荒んだ都会にはない「宮崎」が、学生たちの中にも見えたことが何とも感激なのである。
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