若竹の伸びゆくごとくー宮崎大学短歌会学祭へ向けて
2017-11-17
「やよ少年たちよ若竹の伸びゆくごとく子ども等よ真直ぐにのばせ身をたましひを」
(若山牧水『黒松』より)
牧水晩年の歌を集成した歌集『黒松』に、冒頭の歌がある。よく生誕地の日向の小学校などを訪れると、天井まで届かんほど立派な天然の木製ボードに、この歌が刻まれていたりするのをよく眼にする。牧水は晩年、自分の子ども等にも、また若い多くの少年少女等にこのような思いを持っていたのがよく伝わってくる。教育に携わっているか否かを問わず、子ども等が「若竹」のごとく伸びる姿に関わるのは、誠に嬉しいものである。ちょうど1年前頃であろうか、市内で行われる短歌イベントで、牧水短歌甲子園の優勝校に大学生が対戦しないかというお話をいただいて、ゼミのメンバーを中心に出場チームを構成した。それが「宮崎大学短歌会」の「若芽」となった。その後、今年度になってやはり牧水短歌甲子園に出場した経験のある学生が宮崎大学に入学して会員となり、他にもたくさんの仲間を連れて来るようになった。今や会員10名ほどのサークル母体ができた。
今週末は宮崎大学の学祭であるが、その場を活用してさらに会員を増やせないかと学生たちが考え始めた。僕自身が何かを勧めたわけではないが、いつの間にか短歌会が学祭中に使用できる教室を確保してきた。そしてやはり「短歌会」を名乗る以上、会誌が必要であろうということになり、先月末から毎週のように歌会を開いて題詠歌を競って創り、また今までの詠草歌を7首連作に仕上げるよう全員が努力した。さらには先週の歌会の状況を録音し、文字起こしをしてその状況がわかるようなページを個人的な努力で作成する者もいて、その若い力にこちらも呼応してできるだけのことは尽力しようとした。その会誌もようやく印刷し閉じこまれる作業にまで辿り着いた。手書きの表紙も愛嬌があって、手作り感満載の一冊となった。その完成した一冊を見て、あらためて「若竹」のような学生たちの底知れぬ力を実感した。1年でこれだけ伸びるのだ。高校生・大学生、そして一般の方々はもちろん、高齢の方々まで、「短歌県」と呼ばれるには、こうした世代間を超えた連携がぜひとも必要となるだろう。中でも多様に動ける大学生の力は大きい。
宮崎大学「清花祭」11月18日(土)19日(日)開催
木花キャンパス教育学部棟L313教室が宮崎大学短歌会ブース
会誌を無料配布しております、学生たちの短歌をぜひお読みください!
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