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谷川俊太郎×俵万智「音と言葉と絵本と」トーク

2017-11-13
トークWebライブ配信(朝日作家LIVE)
「音と言葉」という興味深い題材
翻訳における言葉へのこだわりなども・・・

Web告知で標題のトークショー開催を知り、何とか行きたいと思っていたが、先月までは応募する余裕もなく、この期に東京へ行く時間的余裕もなく、残念ながら諦めていた。(どうやらかなりの高倍率抽選であったようだ)だがTwitterを何となく眺めていると、Web上でライブ配信されることを知り、そのままスマホ画面でトークに見入ってしまった。谷川さんのライブは何度か生で拝見したこともあるが、その作品朗読の穏やかな声が好きだ。意図せず強張らず演出せずといった感覚で、御自身の内なる自然な言葉を声に音にする素朴さに心を打たれる。また、トークが始まれば聞き手の質問の趣旨に対して谷川さんは、必ず優しく皮肉的反逆的な答え方をするのも楽しみの一つ。この日のライブでも「絵本の翻訳を始めたきっかけは何ですか?」と問われて「生活費ですね」と答えて会場の笑いを誘っていた。

宮崎歌会で身近になった俵万智さんの絵本の朗読を聴くのは、初めてかもしれない。だいたいにして短歌の話題しか話さないので、「朗読」について問い掛けたこともない。Web配信ながらその読みの語り口を聴いていて、短歌作品が我々読者の心に飛び込んでくるのと同様の魅力が感じられた。谷川さんも「俵さん朗読が上手いですね」と言うと、「(高校の教師だったので)教科書の読み方しかできなくて」と謙遜していたが、御自身の息子さんに絵本を通したコミニケーションを重視して来ただけに、聴き手の心に届く語り口を心得ているように感じられた。それはアナウンサーの技術的な語りではない、翻訳した「言葉」へのこだわりを持った語りだと受け止められた。トークでは「翻訳」に対する姿勢の話題にもなり、谷川さんが「外国語が持つ本来の音の響きは翻訳では消えてしまう」と発言すると、俵さんが「途中から原文(外国語)を見ずに日本語としてどう響くかを考える」といった趣旨の発言をされた。短歌の上での「言葉の選択」という意味でも「音」を重視する共通点が垣間見えて、翻訳とは「新たなる創作」なのであるとあらためて確認できた。

僕の著書にも引用した谷川さんの詩
著作権に関するお手紙とお電話のやりとりが懐かしい
こんな関係のお二人が、「絵本」トークを実現したのも何かの縁ではないかと結びつけて・・・


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