講義より対話ーやる気と思いやりの教育へ
2017-11-10
心とは「思いやりとやる気」で人間性といふそれ即ち「対話性」と「主体性」なり
もはや講義よりも対話を創る研修こそが・・・
県中部教育事務所からのご依頼で「読書推進協議会」にて、講演とワークショップを実施した。8日付小欄にその経緯は記したが、ゼミ4年生6名を伴っていよいよ本番当日となった。会は県内中部地区中学校の図書室担当の先生方が一堂に会し、まず現場からの実践報告が為された。図書館担当教員であっても現状の学校組織の中では、他の仕事もたくさん抱えているゆえに、その活動には努力が欠かさない。また学校内で忙しい他の教員からの理解を得ることも困難ながら、地道な工夫を重ねていらっしゃる先生方の活動をあらためて知ることができた。その後、30分のお時間をいただき「読書活動と豊かな人間性」というテーマで講演を行った。冒頭一行目に記したのは、僕の通っていた幼稚園園長のお言葉であるが、「心(人間性)を育てる」ことこそが「心育(教育)」であると云う。実は次期学習指導要領で提唱されている「対話性」や「主体性」とは、「思いやりとやる気」という「人間性」ではないかという提案を行った。
さて「教員研修」というと、実に雰囲気が硬い。そこで一方的に大学教員が”わかったような”理論を掲げても、現場での実践活動にどれほどに変化を差し向けられるものかと、かねてから疑問に思っていた。もはや時代の要請として「講演」「講話」というのは、やめた方がよいのではないかとさえ思う。今回も担当の先生にお願いして、学生たちが将来の教壇での意識を予想した「読書推進」に役立つであろう活動をご披露して、その後に現場の先生方とともに対話する構成にして欲しいと懇願した。「歌集ブックトーク」「創作的読み聞かせ」「詩の群読」の3点をゼミ生が分担して作品を創って披露した。その後はグループに分かれて、その発表に対する先生方のご意見を学生が各班内で対話しながら聴き、また学生側からも現場への質問が先生方との間に為された。今後は県内でも大量退職大量採用の時代となるが、こうして県教育事務所と現場教員、そして地元教育学部の学生と教員が三者で学び合う環境が、求められていることも予見できた。学生たちは卒論へも大きな示唆を得たであろうし、また現場の実情や先輩教員となる先生方との間に、人間的な繋がりが芽生えたのも大きな成果であった。
時代は大きく動きつつある
学生たちとともに未来の教育を模索する
日本一の「短歌県」「読書県」を目指すためにも。
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