広きを見渡し小さきから手を
2017-11-07
大会開催の残務整理進行中の講義に実務書類
さて仕事はいかに進めようかと・・・
大きな山に登り頂まで到達する。そのとき人は、未だ道半ばであることを忘れがちである。登ったならば必ず下りなければ命の保証はない。自明のことながら頂上に到達した瞬間には、それが大抵頭にないことが多い。野球でもまた、優位に進めれば必ずその点数を守らねばならない。「サヨナラゲーム」などというのは、ホームチームに与えられた登りっぱなしの特権ながら、その歓喜の直前までは断崖絶壁に立たされて、今にも敗戦の底に突き落とされそうな局面でなければ為し得ない危険性を孕んだ一方通行なのだ。水上を滑る船はすぐには止まれず、車であっても制止までには距離が必要である。大きな力で動けば動くほど、その制動距離は伸びるのが物理的な定理であろう。
先月まではまさに「山に登っていた」という感覚で、今月は麓の「日常」に戻りたくさんの「やるべきこと」が待っている。どこからどのようにと考えることもしばしばだが、ある知人の方がWeb上で「着眼大局 着手小局」の言葉を記していた。全体を広く見渡す視点を持ちながらも、細かく分かれた部分から手をつける、といった意味である。人生を進むためには、どんな境遇や生業にあろうとも、この姿勢が不可欠ではないかと思われる。往々にして反転した「着眼小局着手大局」となり、空転して時間を浪費してしまうこともあるゆえ気をつけなければなるまい。例えば、”忙殺”されるとは感じながらも小欄を記す時間は確保できるわけで、それもまた「大局」に眼を向ければ、そんな状況での自らの「ことば」が、これから行先の自分を救うかもしれないのである。「授業づくり」でも教員の仕事でもそうだ、いや社会におけるあらゆる行為において、この姿勢は持つべきであろう。
広きを見渡して得られる視点
そして眼前の仕事ひとつを丁寧に
山を登るのも降りるのも一歩ずつしか人は進めぬものだから。
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