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和歌文学会第63回大会実地踏査へ

2017-10-24
宮崎県内文学散歩
地方学会ならではの企画
ひむかなる台風一過の空のあを・・・

大会3日目は、いわゆるオプショナルツアーの企画、県内文学散歩を計画してきた。一昨年の岡山大学での開催時の資料で見ると20名ほどの参加者。今回はどれほどの先生方が参加してくれるのだろうかと思いつつ思案してきた。昨今、文科省からのお達しもあって、半期15回の講義回数を遵守しなければならず講義を休講にできなくなった。そのせいもあろうか、大会申込葉書の「実地踏査」欄に丸がついた返信は予想より大幅に少なかった。当初は中型バスぐらいはチャーターする見積を地元旅行社に出してもらっていたが、次第に小型からマイクロ、いや観光タクシー?などと計画を縮小することを考えねばならなくなってきた。最終的に参加人数は僕自身を入れて7名、手伝い学生2名とともに計9名の文学散歩となった。だが利用したのは小型バス、やはり乗り心地と安心感が全く違うと思ったからである。

いざ快晴の青空のもと、大会会場の市民プラザを出発。バスは東九州自動車道を利用し一路日向市へ。本来なら月曜休館である若山牧水記念文学館を、館長の伊藤一彦先生のお計らいもあり特別に和歌文学会のために開館していただいた。先月の牧水祭でお世話になった事務局長や職員さんが、歓迎の笑顔でお出迎えをしてくれた。まずは牧水生家へ、こちらも特別に通常は立ち入り禁止である部屋の中に2階を含めて上げていただいた。牧水が産まれたという縁側、床の間にある「白鳥は・・・」の掛軸、陽光差し込む2階では坪谷川のせせらぎの音が、感性に忍び込んでくる。その後は記念文学館へ、企画展「牧水と月」では古典和歌では常套の「類題」の意識で牧水の「月」の歌が読めた。さらには常設展で牧水の揮毫した歌などをご覧いただいたが、「かんがえてのみはじめたる・・・」の色紙は「がんがんと・・・」と読めるなどという冗談も交えつつ、牧水の歌を和歌研究・書誌研究の立場から観る方々の発見にも面白みが感じられた。

昼食はこれも特別に貸切営業をしてくれた「牧水庵」で「牧水そば定食」を。田舎蕎麦と炊き込みご飯にみなさん大満足であった。その後は今回の懇親会に協賛いただいた「あくがれ蒸留所」を、当初の計画にはなかったが訪問することになった。今回一般公開用に作成した公開講演ジンポジウムのチラシデザインが誠によかったと、それを利用した看板表示を依頼作製し蒸留所の玄関前にはそれがたなびいていた。杜氏さんの案内で焼酎を作る工程を一通り見学、豊かな米の香りと大きな「唐芋」が置いてあるのが印象的であった。何本か焼酎を配送購入する先生方もいて、小瓶のお土産までいただき誠に心温まる歓待に感謝であった。再び東九州道を利用して宮崎市内へ。清武インターを下りて宮崎学園都市・大学キャンパスを車窓からご覧いただきながら、神話の舞台である青島へ。台風の後の海風はやや強かったものの、実に爽やかに気分にさせる光景を楽しみながら神社参詣。檳榔樹に取り囲まれて元宮までご参拝いただき、引き返すと門の石段に小さな蛇が。これは縁起がいい、とこの宮崎の邂逅を参加した全ての先生が楽しんでくれたように感じられた。青島から宮崎ブーゲンビリア空港へバスは向かい、そこで計画通り16時30分過ぎに解散し、和歌文学会第63回大会は幕を閉じた。

この日は台風の悪戯で関東地方では休講の大学も
延泊後に個人で県内の文化遺産を楽しんだ方々もあると聞いた
かくして2年間の計画を実行し終え、満足な気分で夜は独り温泉を楽しんだ。


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