和歌文学会第63回大会公開講演ジンポジウム好評受付中!
2017-09-23
10月21日(土)公開講演ジンポジウム(一般公開・要申込)22日(日)研究発表・総会(会員のみ)
23日(月)実地踏査(牧水記念文学館・牧水生家・青島神社)
約2年ほど前、標記学会大会開催校への打診があり、それを引き受けさせていただくことになった。当初はまだ先のことと考えていたが、いよいよ開催はあと1ヶ月後となって緊張感も増してきた。その2年前に日向市で開催された「牧水短歌甲子園」の休憩時間、歌人の俵万智さんにこの大会のパネリストをお願いできないものかと、大学学部の後輩をよいことに唐突にお願いしたのも今はよい「思い出」である。その後、昨年4月に万智さんは宮崎市に移住され、新聞やトークなどで「短歌県みやざき」を合言葉にといった声を上げるようになった。それに乗じて「全国の和歌研究者、短歌県みやざきに集う!」を大会のテーマにしようと考え始めた。長年、宮崎で活躍する伊藤一彦さんをはじめ、若手歌人の小島なおさん、第20回牧水賞受賞者の内藤明さんの計4名の歌人の方々が、パネリストに名を連ねるシンポジウムを構想・計画することができた。
もちろん研究学会の大会であるから、「研究」を主眼とするのは言うまでもない。だが昨今の社会的な人文学軽視の風潮を鑑みるに、「なぜ古典和歌研究を行う必要があるのか?」という自明ながら大切な問いを、我々研究者が再考する必要があるように思われる。研究分野・方法の細分化が進み、昨今の和歌研究者で短歌実作をする人は稀となった。明治期の佐佐木信綱が典型なように、和歌や歌学を対象とする国文学者はそのまま、名高い実作者であるのは過去のものとなった。実に根本的な問いとして、「和歌」を対象に研究しているにも関わらず、「実作」をしないで深い「読み」ができるのか?という問いにも突き当たろう。短歌に関わるということは、即ち「やまとうた1300年」の歴史の中に身を置くことなのである。となれば、こうした機会に研究者と実作者との交流を促進する機会を設けるべきではないかと思うのである。和歌文学会としてはやや異色な講演シンポジウムになるが、それ即ち宮崎で開催する意味ではないかと思っている。
【一般公開】講演ジンポジウム「古典和歌と近現代短歌ー研究と実作ー」
基調講演:伊藤一彦氏(歌人)「若山牧水のあくがれーその歌言葉と韻律の特色」
パネリスト:伊藤一彦・俵万智(歌人)小島なお(歌人)内藤明(歌人・早稲田大学)
永吉寛行(神奈川県立上南高等学校教頭)
司会:兼築信行(早稲田大学)
10月21日(土)13:30〜17:00(受付開始12:30〜)
(会場)宮崎市民プラザ オルブライトホール(一般定員300名)
一般参加申込先:wakabunmiyazaki@gmail.com
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