動きにょろめき尾の隠れゆく
2017-09-04
「物思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出るたまかとぞみる」
(『後拾遺和歌集』一一六二・和泉式部)
魂の対話へ・・・・・
祖父の建築した神社は、山深く自然に恵まれた地にある。温泉に癒され沢の瀬の音に心洗われ、自然豊かな食材が温泉宿でも提供される。母が幼少時にこのような素晴らしい場所で育ったのだと思うと、自らの自然への尊崇の念があらためて確認されるような気になる。当時の建築技術にして、神社落成には3年間ほどの歳月を要したらしい。その間、小学校に通学しなければならない母の姉は街中の家に預けられ、母とその弟がこの山中で祖父らと生活をともにしたと云う。そこで生活していた家のあった集落を今回は訪れてみた。
神社のある場所からさらに山路を奥深く入ると、まずは不動尊がある。こちらの社は残念ながら中越地震で倒壊してしまい、道路脇の地に新たに頑丈な御堂が再建されている。どうやらその再建に当たって、母の姉が寄付をしたことを証する碑が境内に建てられている。伯母の娘である従姉妹らとともにその碑へと歩むと、右奥に何やら動く気配を感じた。従姉妹らは果敢にその姿を追ったが、どうやら蛇がいて我々の接近を察知し切り岸の方面に隠れゆくようであった。その尾が岩の陰に潜むところを、僕も確認できた。龍=蛇に由来のある神社ゆえ、その姿には亡き伯母の魂を感じるものがあった。
自然・生き物の中にある我々の生命
御神木の一本杉がまた僕に力をくれる
希望の明日へ向けて、そしてまた僕はどんな魂をのこせるのだろうか。
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