宮崎で育ったちから
2017-08-30
首都圏で活躍する卒業生たち
社会の荒波に揉まれながらも
宮崎で学んだ力と仲間たちの思い出
非常勤先の集中講義のために上京。先月、別件でメールをもらっていた卒業生が、他のもう一人の卒業生にも連絡をつけてくれて、宮崎における二人の教え子たちと東京で再会した。赴任して講義やゼミなどを担当し2期目にあたる彼らが、現実社会に巣立っている話を聞くのは、何事にも代え難く教師冥利に尽きる。一人は中学校教員として現場の教壇に立ち、夏休み中も部活指導が多く陽に焼けた表情が凛々しい。もう一人は出版社勤務で教科書を編集しており、様々に苦労はありながらも、子どもたちが学校でその教科書で学ぶ姿に希望を見出し日々の仕事に勤しんでいる。いずれも「教育」「人」「文学」に深く関わりながら社会人となっている姿を見るのは、誠に嬉しい思いであった。
二人の近況を聞きつつも、こちらからは宮崎の後輩たちの様子や大学の変化など、四方山話に花が咲く。二人が口々に言うのは「宮崎に行きたい」という思いであった。母校というのはそういうものであるが、「大学」のみならず「宮崎に」と言うあたりが特長ではないかと思えた。首都圏に来てからも二人は居酒屋へ、「地鶏炭火焼」とか「宮崎銘柄焼酎」などを食べに行くことがあるのだと云う。少なくとも東京の大学で学んだ者が、卒業後に東京の郷土料理を食べたいなどという思いを持つことなど皆無ではないか。もとより東京の郷土料理とは何か?卒業生たちが大学のキャンパスと同様な価値で「宮崎の海が見たい」というようなことを言うのは、まさに二人を四年間育てたのは、大学であるとともに「土地」なのであるという思いを知った。これこそが地方大学の大きな価値ではないだろうか。
講義やゼミで語ったこと
「ことばと対話を大切に」
そんな姿勢をあらためて卒業生の中に見る時、大きな責務を覚えるのである。
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