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つなぐ人つながる歌

2017-08-26
郷里・土地・人とのつながり
縁ある機会には時間を惜しまず
やまとうた1300年に通ずるこころ

朝10時に印刷業社の方が、校正原稿を研究室に取りにいらっしゃる。ということもあって、早朝から切迫感を持ちながら原稿に向き合った。〆切があるということは厳しい反面、妙な集中力を生むものである。その後も研究室で諸々の仕事をしようと思うと、ある短歌関係の方からメッセージをいただいた。いささかの問い合わせ的な内容であったが、そのことばにある「人をつなぐ」という文面にこころが動き、午後から実施される伊藤一彦先生の講演へと出向くことにした。「西日本地区国語問題研究協議会」の締め括りが伊藤先生の「短歌の世界」の御講演である。もちろん伊藤先生のお話から学びたいという思いが強かったが、同時にこの協議会に参加している大学の先輩を「伊藤先生に紹介したい」という気持ちがとても大きくなっての行動である。昨晩交わした先輩との「歌談義」に加えて、伊藤先生の御講演がまた新たな意識を醸成してくれる。

御講演の内容は、奇遇にも先輩と共有していた問題意識に通ずる内容であった。長年、学校現場でカウンセラーの御経験もある伊藤先生、「相手の言動には必ず理由がある」という立場で「午後は誰しも眠くなる時間、それはこの協議会で皆さんが頑張った証拠」と、聴衆を掴む話ぶりにも温厚なお人柄が溢れている。1000年にも通底する「形式」とは?という問い掛けに始まり、茂吉と方言について(この協議会でも方言についての議論があったゆえ)。上京しても「大切なもの」として方言を直したくなかった茂吉は、「話し言葉が思うようにならないゆえ、書き言葉に傾斜した」という指摘も紹介し、歌とことばと風土を考えさせられる内容であった。その後はもちろん牧水の話題へ。五七調を万葉集などの古典和歌に学び、「やまとことば」の使用率が高いことなどを挙げて、特に二句四句で切れる歌の韻律を万葉集などの歌を含めて紹介。自分自身では体内を通って自分の声が聞こえているので、他人が聞く声と自分自身の認識は違う」という生理的心理的な点を指摘。「こうして話している僕の声はみなさんの身体の中に入る。身体の一部が他人の身体の中に入る。凄いことではないですか」というお話には実に共感した。さらには俵万智さんの歌の魅力、学校で行いたい短歌活動などの紹介もあって、聴衆は眠くなるはずもなく90分間があっという間であった。

御講演後に先輩とともに楽屋へ
先輩の娘さんは俳人であることもお伝えする
空港まで先輩を見送り、あらためて「宮崎・人・縁」に感謝した1日となった。

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