お湯の音にぞおどろかれぬる
2017-08-23
天井から滴るお湯打たせ湯は身体を打たれるためのみにあらず
その音に心身の回復をみた宵の口
来週から学部3年生は3週間に及ぶ附属小学校での教育実習に入る。その直前指導が実施され、諸々の事務仕事を終えて附属小学校へと出向いた。学生たちは授業で使用する教具などを担当クラスごとに配分する作業を行い、その後、各学級で担当教諭からの指導を受けた。こうした作業的な動きが出てくると、いよいよ実習が始まるという感覚である。それにしても相変わらずの暑さはしんどい。100名近くの学生たちが一堂に会して作業を行えば、熱量も相当なものなのだろう。その会場の若い熱気に、こちらはやや押され気味である。役目を終えて附属小学校を後にしたが、聊か水分の欠乏を感じたので、近くのカフェで休憩することにした。短歌など読みながらしばしゆったりした時間。人気店らしく午後の半ばの時間帯でも店内に客は多い。だが短歌という「声」に耳を傾けるだけで、不思議と静かな気持ちになれるものである。
夜はジムのプールに行くか否か迷ったが、結局は近場の温泉へ。いつも行く公共施設が休館日なので、大学の福利厚生でいただいたチケットを利用し、プロ野球キャンプでも使用されているホテルの温泉へと向かう。夏休み中でここもまた聊か喧騒が絶えなかったのだが、思わず自分なりのスポットを発見してしまった。それは「打たせ湯」の一角。「源泉」から引いたというお湯が天井付近から湯船に常に滴り落ちている。その湯に身体を「打たれる」にあらず、傍らで水面に落ちる音を聞きつつ、ゆったり半身浴をしているのがよい。その一定な「水音」というのが、次第に引き立ってきて、自然と周囲の喧騒を掻き消してくれた。かの芭蕉には「古池や・・・」「閑かさや・・・」の名句があるが、聴覚というのは詩心としては大変重要だ。それも際立った音でなくていい。ささやかな「水音」こそが、心身をこの上なく癒し覚醒させてくれる効果があるように思われた。
日常に「癒しの音」はあるか?
鳥の声・せせらぎの音・寄せては帰る波の音
五感を無駄に生きていては面白くもあるまい。
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