「われここにあり」を噛み締めて
2017-08-13
「かの夏に掃射逃れし少年の繋いだ命われここにあり」ここ数日間、小欄では「かの戦争」について様々な角度から書き記している。だがあれこれと書くよりも、効果的な短歌一首で表現できないものかと考えてしまう。要は「かの戦争」が自らの存在とどのように関わっているかが、端的に示せればよいのであろう。多言は無用、まさにその一点において自らの「命」を考えることしかない。
冒頭に記したのは心の花宮崎歌会に初めて出詠した際の歌。ちょうど「夏」であったゆえ、自らの「命」がなぜあるのかを「かの夏」との関係から素朴に捉えることができた。歌会では「少年」とは誰かと様々な解釈が議論されたのを記憶している。その時はあれこれと歌を捏ねくり回すこともしていなかった。どうも最近はその素朴ながら一語の解釈に奥行きのある表現に至らない。「命」を見つめて自らと向き合うこと、いや、多作の中から拾い上げること。もう一度、自らの歌から学ばなければなるまい。
「かの夏」は必ずどこかで自らと関係する
「繋いだ命」ゆえに「われここにあり」
過去は決して断絶することなく未来に連なる
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