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新たなる守護神登場

2017-07-20
玄関を開けると宅配の方が
「いま上から降ってきました」
と驚く状況に加えてさらに・・・

その名称としては「守宮」とか「家守」という漢字が当てられる。『日本国語大辞典第二版』の用例には白秋の『思ひ出』柳河風俗詩・沈丁花「ふっととだえたその窓に守宮吸ひつき、日は赤し」が挙げられており、壁や窓や天井にはりつく性質がある。我が家では以前から、玄関扉に張り付いていたり、その扉の隙間が居心地がよろしいようで、この時季になるとしばしば姿を現していた。最初はそのような想定もしなかったので、不意に玄関扉を開けるとその振動で耐え難くなるのだろう、扉から玄関前に落下してしまい「ピチッ」という比較的、はっきりとした身体を床のタイルに打ち付ける音が印象的であったゆえ「ピチ太郎」と名付けて共存していた。先日、不意に宅配さんが玄関ベルを鳴らしたので、出てみると冒頭に記したように彼の眼前に落下したようなのである。その際には、特に音は聞こえなかったのであるが・・・

ところが先日の出張から帰ると、勝手口側の台所の窓にも張り付いている「新ピチ」を発見するに至った。網戸には手足の毛状突起の吸盤を使用しやすいのであろう、そのあたりに頻繁に姿を見せるようになった。一度は勝手口扉にも張り付いていたので、意図して扉を開けて「ピチッ」さながらな状況を体験してもらった。この辺りは棲む場所ではないんだよ、と教えたつもりであったのだが、どうもこうした扉周辺を好むのは何か理由があるのだろうか?『日国』に拠れば、「夜活動して昆虫を捕食。動作は敏速で、驚くとごく弱い声でキーッと鳴いて逃げる。無毒。」とある。僕自身はまだ、この驚いた際の鳴き声を聞くすべもないのだが、特に害もなく虫を食べているだけに駆除するものでもないと考えている。特に漢字表記の「家守」からして、まさに守護神であると思うしかないのであろう。これぞまさに自然との共存なのだと考えてはいるが・・・

宮崎に移住して出会った生き物たち
ベランダが煤煙で黒くなる東京のマンションに慣れ過ぎたのか
「生きているということ いま生きているということ」(谷川俊太郎「生きる」より)
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