盤を反対から見ること
2017-06-28
藤井四段14歳の29連勝対局の休憩の一場面に
物事の見方について考える
公式戦29連勝の歴代新記録を樹立した最年少棋士藤井四段の活躍がめざましい。こうなると将棋などは年齢ではないのかと、様々な思いが駆け巡る。どのような生育過程で、どのように思考力や想像力を育んできたのか。たぶんそれほど「特別」ではない習慣の積み重ねによって、あの境地に到ったのではと「教育」を考える身としては思いたくなる。将棋のことには明るくないが、その先見性とか戦略性は、小手先の技術や工夫などではきっと養えないと思うからである。些細な「見る」の積み重ねが、どの道にも求められるのではないかと勝手な予想をしている。
TVでその様子が報じられていて目にしたのだが、対局の休憩時に藤井四段は相手側から盤を見ることがあると云う。これは先ごろ引退した加藤一二三名人の「必殺技」でもあると聞く。素人目に見れば「反対側から盤を見たところで何も変わらない」と思うかもしれないが、あれほどの境地に達すると何か違う風景が見えるということだろう。この単純にして素朴な「見る」行為こそが、大きな意味を持つことは、様々な分野でも同じであるようにも思う。著名な文学教材を反対側に立って見て読むということから、新たな視点を見つけ出す興奮に酔い痴れたいと思うのである。
ゼミであらためて読む「ごんぎつね」
定番教材ほど固着した読みになりがち
反対から、いや三百六十度から見ようとする柔軟な思考を持ちたいものである。
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