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発問・解釈と表現・演技の往還

2017-06-20
解釈を進めるための「発問」
教師の手立てにあらず学ぶ子どもたちから問いを発すること
表現するための主体的な問いへ

県の教員研修として、本学部附属教育協働開発センターが共催するクラスを担当した。「国語科の授業づくりー発問から表現へ」といった内容として、教育方法を専門とする先生とのコラボレーション企画となった。午前中は教育方法の視点から「発問づくり」のワークショップ、小学校定番教材である「おおきなかぶ」「サラダでげんき」「注文の多い料理店」「ごんぎつね」などに関して、いかなる発問で学習が起動するかを班別活動で考えていった。元来「発問」とは「学習者の問い」なのであり「指導者」が自らの「答え」を持っていて「授業」を誘導する手段ではない。教材を構造的に捉える思考が主流ながら、文芸的に価値を見出す方向性なども紹介され、このワークショップを通じて「発問の仕方」というよりも、学習者の「問いの立て方」にも様々なものがあることが理解され、参加者は自らの教材研究を深め多様な視点をも持ち得るようになったようである。

昼休みを挟み午後からが僕の担当となる。午前中に扱った教材の中から「ごんぎつね」を採り上げて、「表現読みー伝え読みー群読劇」へと段階的に発展させるワークショップを展開した。冒頭の15分間はウォーミングアップとして、谷川俊太郎さんの「かっぱ」で声の準備、また俵万智さんの短歌の場面を1分30秒で考えて寸劇を4人で構成するなど。ことばの響きそのものの面白さと解釈が表現に連動していることを短時間で実感できる機会とした。その後、45分で構想・脚本づくり、45分で実際に音読して「表現読み」を班内で批評し合いながら構成していく。小学校の1校時分の時間で、教員自らが何ができるかを考える意図もある。休憩を挟んだ後は、実際の発表舞台を使用してリハーサル、この段階は「聴き手」を意識して音声表現と演技動作や演出とのバランスも考えていく。いよいよ全体発表となり、全5班によるこの場にしかない創作表現としての「ごんぎつね」が展開した。重要なのはこの後で、午前中の解釈の問題にも立ち返りながら、各班の群読劇について対話の時間をもった。ここでは参加者から「新たな解釈に気づいた」「こんなに教材を奥深く考えたことはない」といった感想も聞かれ、この日の成果を窺い知ることができた。

もちろん僕自身にも大きな発見が
ともに問いを立てて演じ表現することと往還する
教員も含むすべての授業参加者が楽しい国語教室へ向けて
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