後退か前進か受験勉強
2017-06-06
貴重な体験から学ぶこと知識を積み上げる地道な勉学
総合的に成長するためには・・・
教育実習期間を終えて、多くの学生が大学に戻ってきた。個々に貴重な現場での体験を通して、また一皮向けた成長が見えることを期待して迎えたい。だが一方で来月に控えた教員採用試験に向けた「受験勉強」に関しては、どうしてもこの2週間は停滞せざるを得ない状況となる。「実習」に関しても精魂込めた授業づくりや学級活動をせねばならず、一方で「受験勉強」も気になるというダブルバインドの渦中で、うまい精神的な均衡が必要なのも事実だろう。だがしかし、特に「就職」が関係した「受験」において、僕は「人間的な総合力」が必要ではないかと常々思うのである。基礎的知識や技能を問う一次試験を通過したとて、二次試験での面接・集団討論・場面指導・模擬授業などではやはり現場での経験がものをいう。それだけに臨時採用講師で現場経験を積んだ人々の方が新卒より強いのも必定である。それだけに新卒学部生が為すべきことは、限られた期間とはいえ「実習」なのではないかと思うのである。
様々な受験熱の高まりが社会慣習化したことで、小中高各校種が「受験予備校化」している現場が多く見受けられる。特に「高等学校」の場合はそれが顕著で、「学力」=「受験の力」という矮小な教育観がはびこっている。小中学校ならまだ各教科で「育てたい力」を意図した授業が展開するものの、地域によってはやはり「高校受験」「私立中学受験」を意識せざるを得ない状況も珍しくはない。もちろん都市部を中心に所謂「お受験」と称した「私立小学校受験」熱も高くなり、ある意味で「異常」とも思える状況も散見される。僕自身も正直なところ「私立中学受験」の体験者であるが、それだけに「受験」中心の学力観に対する抵抗は強い。少なくともその「抵抗」の具現化として、中学高校時代はとことん運動部に所属して青春を謳歌したことを誇りに思える。大学受験前は7月の「国体予選」の試合にまで出場して、担任諸氏は「(高いレベルの)大学などは無理」と諌めたが、その抵抗ある言葉を再び力に変換し、志望大学に現役合格をすることができた。「部活動」あっての「現役合格」であると僕は今でも信じている。
座学では身につかない人間としての力
現場や実体験から学んで一回りもふた回りも大きくなる
4年生には「大きな前進」があったと力強く語りかけてみたい。
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