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「心のかたちが言葉にできない」だから・・・

2017-05-23
何気なく口をついて出る言葉
それはどれほどまで「心」に近いのだろう
「心のかたちが言葉にできない」

70年代フォークソングは、まさに抒情的な詞が多かった。個々に深い訴えがあって、他者に伝えようとする信念に溢れ、深い人間味が感じられた。「格好いい」歌い手もいたが、「心と言葉」で勝負している歌い手もたくさんいたように思う。その後者の例として、武田鉄矢率いる海援隊があった。ちょうど僕が中学生の頃であったか、LPレコードのアルバムを買って聞くと、その抒情性と歴史的含蓄の深さに驚かされたのを記憶している。その後、周知のように武田は「金八」という先生役でブレイクし、フォークシンガーというより、まさに「金八」として芸能生活を送ることになる。その海援隊に「心のかたち」という曲がある。中学生ながらこの曲を聴いて「心のかたちが言葉にできない」というサビの部分が妙に気になった。

果たして「心」とは何なのだろう?と漠然と考え始めたのもその頃だったか。そんな意識で詩歌を読むと、まさに「心」を「言葉」にしている素晴らしさに気づくことができた。だから、「人間の心」を考えて探求し人に伝えてみたいと考えたのが、詩歌をはじめとする文学との出逢いでもあった。それからかなりの年月が経過したが、「心」を「かたち」にすることはなかなか容易ではない。年齢や社会性を伴うことでむしろ様々な規制を受けてしまい、余計に困難になる場合もあるだろう。だがそれゆえに、「心」を「言葉」に載せて伝え合うことを大切にしなければなるまい。ゼミ4年生の多くが、公立校での教育実習に入った。研究授業等の連絡でメールを貰うが、そこに聊かの「心」を添えて返したいと思っている。そしてゼミ生たちも、向き合う児童・生徒たちに向けて「心」を「かたち」にして言葉で伝え合うことを大切にして欲しいと願うのである。

「言葉」が「心」を超えることもある
されど「心のかたちが言葉にできない」ことばかり
「伝え合う力」とは何かと自問自答するばかりであるのだが・・・
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