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手作り「へべす餃子」美味!

2017-05-12
日向市原産柑橘類「へべす」
その味と香りを餃子にというアイディア
カウンター5席の仕出し惣菜屋さんでのこと

「こんにちは!」と店先で声を掛けると一人の女性が出ていらしたので、「女将さんですか?」と言うと、「女将は中です」とさらに奥からご本人のお顔が覗き見えた。此処は、それなりに大きな看板を出し幟なども立てた仕出し・惣菜屋さん「味の大作」である。宮崎県は日向市の中小企業支援を活性化する「ひむかーBiz」センター長である友人が、「へべす餃子」という新たな名産品を売り出した店があると教えてくれたのが数ヶ月前のことか。何より「餃子」となれば目がない性分なので、いずれかの早い機会にその店を訪れたい衝動に駆られていた。この日はまさに日向市方面に赴く用務があったので、昼休みの時間を利用してこの店を訪問することにした。

木造の頑丈な造りの建物で奥は広い調理場になっている。その雰囲気そのものが、甚だ郷愁を覚える店内だ。窓際にカウンター5席、どうやらセンター長の友人の発案で、新たに設けたらしい。女将さんは「(カウンターは)コンビニの真似をしたの」と云うが、決して商品はコンビニが真似できない手作り感溢れた逸品であった。まず何も言わなくとも揚げたての「豆入コロッケ・帆立フライ・野菜かき揚げ」を女将が大皿に乗せて奥から持っていらした。「まずはこんでも食べて」と言いつつ「用意がようできとらんで、すまんね」と言い、再び奥へと餃子を焼きに戻る。決められたものが一定の時間内にどこの店でも同じ味で出てくるチェーン店とは、まったく違った感慨を覚える。まさに此処の味は、日本で「此処」でしか味わえないのである。登場した「へべす餃子定食」には、小鉢もついて味噌汁は地の魚の出汁が効いている。しばし女将は僕らが食べた後に、席の近くに座って世間話。こうして手作りの仕出し・惣菜やさんを営むことの苦労が、話の端々に滲み出てくる。チェーン弁当屋にコンビニと、立ち向かうには不公平過ぎるライバルたちへと、地方の街でも客の足が向きがちだ。だがしかし、嘗てこのくにには、こうした「此処」でしか味わえない惣菜屋さんが、街ごとに存在していたのだ。社会・経済の米国化が、その「此処」を窮地に追い込んできたのである。だからこそ、こういう機会に「此処」に立ち寄り、「人が手で作った」味をどうしても受け取りたいと思うのである。「地方創生」などという中央の理念にあらず、「此処」でしかできない貴重な個々の「人」が、笑顔で仕事ができる環境を取り戻すことが急務なのである。

日向市「味の大作」仕出し・惣菜屋さん
駐車場は店舗脇の空地を自由に利用のこと
女将のエプロンに、手作りと苦労が象徴されているような気がした。
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