整理と引き継ぎの思考
2017-03-29
研究室の今年度分の整理を進める学内の仕事も次年度への引き継ぎが
研究・執筆・創作もこうした思考が必須かと
春休みながら年度最終週は、重点的に研究室の整理を進めている。本年度のレポートや授業レビュー、様々なファイルにある記録の整理・保管をして、次年度の講義に支障のない環境を整備する。不要な書類はシュレッダーに破棄し、引き出しや保管庫を整えていく。それでも昨今は、教授会をはじめとして資料のペーパーレス化が進み、だいぶ資源の無駄使いは少なくなったように思う。このような行動をしていると、この1年間を振り返る思いが湧き上がってくることがある。特に学生たちが講義の最後に肉筆で書いた担当者へのメッセージなどを読み返すと、自らがやってきたことが報われた思いとなり、奥へ仕舞い込まずに見返せる位置に保管したりもする。「印字」ではなく、肉筆の「文字」の意義を再考するひと時でもある。などという感慨に浸ると整理は滞るのであるが。
学生時代に読むべき書籍のベストセラーに、外山滋比古『思考の整理学』(ちくま文庫)がある。複眼的視点で物事を捉えて知的生活を勧め、思考をいかに整理し表現するかを説いた好著である。学生諸君でこの書物を知らない者は、急いで人の知らぬ間に読了し、「当然知っています」という顔をして欲しいほど、基本中の基本の書籍である。書名に示される通り、内容は「整理学」である。研究をはじめ執筆・創作となどの知的活動は、「整理」することでもある。「文章」は「思考」を表現したものであり、それが他者に伝わらなければ意味を持たない。「伝わるか」「伝わらないか」を自ら判断できる客観的な視点が求められる。また、研究・執筆・創作いずれも、「運動」と同じように絶え間なく「続ける」ことが上達の秘訣でもある。この1年半ほど「短歌」を創り始めて、誠にそれを実感している。そしてまた、「短歌」という表現に自らの「心」を収斂させるのもまた、「思考の整理」と「言語表現」を擦り合わせる所業に他ならないだろう。
デスク周辺はほぼ終了
本日は棚の整理を予定している
進めるごとに「知的生産意欲」が倍増するように感じている。
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