思考と想像の日曜日
2010-06-21
20日(日)ややゆっくり寝て、昼前からお気に入りになったカフェへ。店の前の3段ほどの階段を上がり、顔を店内に見せると経営者の奥さんの方が、ドアを開けて迎えてくれた。ほぼお気に入りとなった、緑の見える窓際のソファへ。そして朝刊をじっくりと読み始めてみた。
やはり日曜日朝刊の楽しみは読書欄(朝日新聞)だ。中でも最近特集している「ゼロ年代の50冊2000〜2009」で取り上げられる本がいい。この日は、『格差の戦後史』(橋本健二著・河出ブックス)と『悪人』(吉田修一著・朝日出版)の2冊。いずれも、この10年で顕然化した、「格差」とは何であるかを考えるのには絶好の書物である。
1980年代以降、我々が知らぬ間に陥ってしまっていた「格差社会」。それがどのように生じてきたかという議論を、きちんとした根拠で示した橋本氏の『格差の戦後史』と、小説として若者の孤独を描くことに成功した『悪人』。いま考えるべき事は何かを、十分に思考させてくれる好著だと見受けられた。
こうした思考を巡らしながら、ランチの「ジェノベーゼパスタ」をいただく日曜日の昼下がりはありがたい。知的好奇心を動員し、そして「格差」の生じた社会で、このような幸せが持てることを実感できた。「チーズケーキ」を食後にいただき、尚更そんな思いを強く感じながら。
夕刻からは、夏にアメリカ・カナダを旅する父とその友人、それに母も伴い、いつもの寿司屋へ。行程や持ち物の準備、宿泊先の紹介など様々な旅の楽しみに思いを馳せた。旅は行く前から始まっている。こうして想像を巡らすこと自体、既に心がアメリカ・カナダへ向かっていることになる。アメリカでのMLB観戦やカナダでの大自然などなど、想像は果てしなく大きな世界へと向かうのだ。
帰宅して『龍馬伝』。今度は歴史の断層に思いを馳せ、幕末に生きた人間模様の激しさ・厳しさに、心を痛め、心を奮い立てる。
思考と想像の日曜日
ある時は過去にある時は近未来に飛翔する
今ある幸せを享受してこそ為せる技であると自覚する1日
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