悩み事さえも神様の贈り物
2017-03-01
「この世に生まれた理由(わけ)などないけどああ君は見えない翼で羽ばたくのさ」
(桑田佳祐『DEAR MY FRIEND』より)
今年度もあと1ヶ月となり、既に次年度の足音が聞こえるようになった。学部3年生も来たるべき教員採用試験に向けて、「本気」で「本気」になる時。毎年お願いしている教職大学院・教育協働開発センター客員教授の先生に、採用試験2次対策について実践的な講義を実施していただいた。その中でも重要だと思われたのは、教員としての資質「意欲・人柄・技術」の三要素であった。「技術」は磨けば磨くだけ定着するので、「練習」次第ともいえるだろう。「意欲」は先ほど述べた「本気」で「本気」になり、的確な自己発見をしようとしているか否かである。学生たちが最も簡単には身につけられないのは、自明ながら「人柄」ではないだろうか。面接・集団討論などの短い時間内で、他者に自らの「人柄」を伝えるためには、まさに日常から生活を「意識」する必要があるように思う。
学生時代には様々な「経験」をしておきたい。僕自身を振り返ってみても、当時から海外経験を積んでいれば、もっと違った展開もあったかもしれないなどと振り返ることもある。だがそんな大仰な「経験」でなくとも、大切なのは友人たちとの「対話」でなかったかと痛感する。そして本当の「対話」は、大学の〈教室〉ではなかなか起動することはない。その〈教室〉から一歩構外に出たところに、貴重な「対話」の場があるように思う。この日もゼミ・専攻を超えて10数名の学生たちが焼肉店に集まった。「講義」でしか「対話」する機会がなかった人たちと様々な話に興じた。こうした場での「一言」から「本気」が「本気」となり、そして学び合いの「経験」になっていくものだ。僕自身の学部時代も、こんな経験が大変貴重であった。そんな折に、ふと冒頭に記した桑田佳祐さんの曲が僕の脳裏を巡った。その浮かんだ部分の歌詞を、聊か記しておきたい。
「And life is music
悲しみの歌も互いに口ずさめば
夜明けを待つような気分」
「振り向く場所には思い出溢れて
歩みを止めたら明日が遠去かるだけ」
「たった一度の人生だもの
悩み事さえも神様の贈り物」
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