あらためまして聞き手を意識
2017-01-13
教科書の音読聞き手を意識して読むとは?
「結論」は言わずに伝えるということ
コミュニケーション育成を目的とした芸術家派遣事業の3日間が進行している。友人である役者さん・ギタリストさんのお二人を東京からお迎えしての事業も3年目となる。今回は特別活動ではなく「国語」の教科授業として、小規模校を訪れている。4年生4名を対象に「ごんぎつね」、6年生4名を対象に「やまなし」を教材とした導入授業を設定した。役者の朗読とギタリストの繊細な響きに載った「音」の共演によって、子どもたちの「音読」は変わるだろうか?従来から指摘してきたことではあるが、〈教室〉の「音読」には目的や聞き手への意識が明確に示されていない場合が多い。「表現」するということは、何より「聞き手」を意識しないと始まらないことを、あらためて再認識する機会となる。
昨今盛んに実践される能動的活動型授業においては、導入で「できない」ことを学習者が自覚することが肝要である。今現在の自らの能力では解決不可能であることを悟ってこそ、その後の学習が意欲を持ち能動的な発見へと導かれる。役者さんも常に「私の読み方と同じようにしなくてもよい」「間違って読んでも場面に即したものであればよい」といった要点を丁寧に伝えながら、授業を進行させてくれた。〈教室〉ではただ「声」にするだけの「音読」から、聞き手を意識した「音読」にすることが実に難しい。素朴で当然と思われることを実践することこそが、一番難しいのである。そしてまた教材は、決して「結論」を述べてはいない。読み手が自らの中で読んで聞き手に伝えようとしてこそ、教材に初めて命が吹き込まれるということであろう。
あらためて「表現」の奥行を実感する
子どもたちに変化が見え始める
本日は3日間の集大成として4年生・6年生合同の発表授業となる。
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