「やってみる」図書館へ
2016-12-16
「調べる・わかる・やってみる」新しい図書館のかたちが模索されている
静かに本を読む空間から活動的な空間へと
本学附属図書館を会場にして、図書館協会の講演会が開催された。都留文科大学で図書館学を担当する日向先生に、遠路遥々お越しいただき貴重な話をいただいた。地方国立大学の図書館は如何にあるべきか?そして地方公共図書館の役割とは?本学にとっても宮崎県の各公共図書館にとっても大変意義深い内容であった。ご講演の趣旨としては、大学でも公共でも図書館が「やってみる」ことのできる空間にすることが肝要であると云う。全国で話題になっている図書館には、キッチンやライブスタジオなどを併設しているところもあり、図書館で調べたレシピで仲間と調理をしたり、CDやDVDで音楽を楽しんだら、すぐさま自分たちで演奏を楽しむといった活動的な空間になっている。大学図書館もより開放的にすべきで、外から見える空間で学生はもちろん地域の住民の方々なども参加するイベントを開催し、相互に気付きのある空間に演出していくことが必要であると云うのだ。まさに「図書館」の概念は今、大きく変革されようとしている。
地域との密着という意味では、僕も公開講座を担当して3年となる。昨年からは大学附属図書館視聴覚室を会場としているが、さらに開放的な場所で開催すべきという思いを新たにした。別な目的で図書館に来ている学生が公開講座の内容を覗き込めたり、あるいは宮崎市中心部の繁華街に講座をライブ中継してもいい。先日、テレビ報道で知ったのだが、中心部アーケード商店街の活性化の一環として、大学サテライトを新設し公開講座なども実施できるようにすると云う。現在はネットを介して、ライブ中継も実に手軽に行われるようになった。本学キャンパスは宮崎市郊外ゆえに、市内中心部からは15Kmほどの距離がある。それを埋めるためにも図書館の「やってみる」空間を常時、市内中心部でライブ中継するなどの工夫が求められる。「学び」は多様な人々が集まってこそ活性化する。予想もしない異質な反応から、新たな発見が生まれる。スマホの爆発的な普及により過剰な個別化を生んだ社会に、人間性を回復させる意味でも「やってみる」図書館は有効ではあるまいか。
声を基盤にしたライブは
まさしく「やってみる」に相性がよろしい
「静粛」を一部に確保しながらも、図書館はより開放的な場を目指す時代となった。
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