予想外の結末を愛すること
2016-12-03
定式通りの展開物事の進行の面白さ
予想外の「無限の距離」を愛すること
文章をはじめとして日常的な会議などでもそうだが、定式通りな展開や「結論ありき」の進行ほど飽き飽きしてしまうものはない。落語がなぜ面白いかといえば、予想外の言葉が飛び出してくる意外性に満ちているからであろう。野球もまた同じで劇的な展開といえば、考えてもいないことが試合で起こるゆえにあれほどの興奮に包まれるわけである。旅もまた同様であり、「予定通り」に進行することばかりを考えていては、その意味も半減するような気がする。旅とあればまた「人生」そのものが、意外性のある方が豊かだということにもなろう。
岡井隆『今はじめる人のための短歌入門』(角川文庫2011)に「初句と結句は無限の距離」という指摘がある。「初句」を考えた時点で「結句」の見えている歌には、面白みがないといった趣旨のことが述べられている。短歌は「一行詩」ではなく「分節的な詩」であるとも。それでもなお「結句」であるゆえに、「行きっぱなしでは歌にならない」ともされている。そこに「一本の糸の張力」のごとく「行きて帰るこころ」が求められるとも岡井は云う。その意外性を、どれほど愛好できるかが、人生そのものを楽しむ秘訣かもしれない。
定時運行という規律社会
定式的な発想を「論理」と呼ぶ矛盾
予想外を愛せることが、こころの豊かさであるとあらためて。
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