ビブリオバトル九州Dブロック予選会(宮崎大学)

2016-11-27
今年はホスト校として本学図書館にて
知的書評合戦として8名が参加
鹿児島・宮崎の大学生たちの競演

勤務校の附属図書館にて、標題の大会が開催された。昨年来、附属図書館運営委員となったこともあり図書館活動の推進にも従事している。今年は様々な他の行事と重なってしまい、2度に渡る学内予選の参観やゼミからの出場者を出すことができなかったのことが悔やまれる。昨年はゼミの4年生が参加し見事に大学代表となり、鹿児島大学まで応援のゼミ生とともに乗り込んだことが懐かしく思い出される。「ビブリオバトル」とは冒頭にも記したように、「知的書評合戦」である。出場者が自分で選んだ本に関して3分間のプレゼンテーションを行い、その後2分間のディスカッション(質疑応答)を行い、会場に参加している方々に本の魅力を伝えるというもの。審査員は会場にいるすべての人で、最終的に「どの本が一番読みたくなったか」を基準に投票し得票数の多い出場者が勝者となる。プレゼンの内容や知人・友人であるかといった贔屓目ではなく、あくまで「どの本を読みたいか」を基準とするのが肝要である。

今回の大会で取り上げられた本は以下の通りである。
1、甲賀忍法帖(山田風太郎)
2、変身(東野圭吾)
3、少女は卒業しない(朝井リョウ)
4、ちいちゃな王様
5、歌うクジラ(村上龍)
6、てい先生(ゆくえ高那)
7、四畳半神大系(森見登美彦)
8、脳の右側で描け(ベティ・エドワーズ)

僕自身が投票したのは、5番目の『歌うクジラ』である。発表者は冒頭に「僕は今日、皆さんに警鐘を鳴らしたいと思います。」と始まり、該当書がフィクションとして描く「現代社会の行方」がどれほどに壮絶かが紹介される。人間の徹底的な階層化と政府の管理下に置かれる社会。身の回りのものは「共通化」され、日本語の大きな特徴である「敬語の喪失」などが起きる。プレゼンを聞いているうちに、どうやらこれは「フィクション」ではないような気にさせられる。僕は発表者に質問をした。「この本が書かれてから11年ということですが、既に起きている危機的状況は何であると思いますか?」と。すると「自動運転」など機械による「行動管理」のような現象はその兆候であるという答えをいただいた。スーパーのレジの「セルフ化」なども進むが、こうして「機械」が「人間の仕事」を既に奪い始めている。あと20年〜30年もすれば、失われる職業はかなりの量と職種に及ぶということ。囲碁や将棋の名人が人工知能と対決することが試されているが、時に「名人の敗戦」の報に触れると、まさに人間の知力とは何かと考えさせられてしまう。そんな壮絶で暗黒な社会を助長するかのような政治・経済の動きに、僕たちは果たして無頓着でいいのだろうか?『歌うクジラ』ぜひ読んでみよう。

優勝本は『脳の右側で描け」に決定。
「描画」という人間の豊かな脳のあり方に注目が集まる
大学生の「知的」を支援するイベントとして今後も注目したいと思う。
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