一つのことばに千々に乱れる思いを

2016-11-22
眼前の「一つ」にこだわる
最初から最後まで手を抜かない
「プロフェッショナルとは?」に応えて

「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組を、久しぶりに観た。たいていはジムに行って帰ったばかりの時間帯なので観ることも少ないが、この日は予告で「宮崎県のスゴ腕魚屋さん」とあったので、ジムから帰るなりTVを点けた。漁港の市場に詰めて良い魚を探し、自らさばいて一流料亭などに出荷し、取引先の星の数を合わせると「9つ星」になるという敏腕の持ち主が紹介されていた。彼のことばの中で印象に残ったのは、「一つをおろそかにしない」ということだ。「一匹ぐらい手に入らなくてもいいか」という気持ちが信頼を損ねる可能性があるということのようで、注文があれば隣県の市場に車を飛ばして目的の魚を手に入れると云う。その目利きと情熱が相俟って、料理人からの深い信頼が築かれてきたそうだ。そう!我々は「プロフェッショナル」ということばに無頓着ではないか。眼前の「一つのことば」に徹底的にこだわることが、僕たちの仕事のはずだ。

地元紙「宮崎日日新聞」朝刊では、宗教学者の山折哲雄氏の記事が興味深かった。ノーベル平和賞を受賞したボブ・デュランが選考主体のスウェーデン・アカデミーの呼び掛けに沈黙したままであることを、「吟遊詩人の誇り」と評している。そして「まさに政治の言葉が風化するときこそ、その隙間を埋めるかのように詩の言葉が空を飛ぶ。政治の言説が土着の腐臭を発して保守化するときこそ、詩の切っ先がプロテスト(抗議)の噴気を吹きだし、万人の心を射抜く韻律とリズムをつむぎだす。」と述べている。米国大統領選の中傷合戦や英国のEU離脱を契機に「英国デモクラシーの屋台骨が風に吹かれて大きく揺れ始めていた。」という情勢の中でこそ、「詩人のことば」に光が当たるということだ。まさに情勢や権威に左右されず「一つのことば」にこだわる姿勢こそ、「詩人」なのであると云う。人麻呂も西行も良寛もまた「千々に乱れる思い」を詩に込めたのだとも。「詩」の「プロフェッショナル」への道を考えるに、まだまだ青臭い己を省みた思いがした。

いまここにあることば
万感の思いを込めて
詩歌の社会的価値が今こそ問われている。
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