落語構造と表現する学び

2016-11-19
「まえおき・まくら・本題」
自ら声で表現して構造を学ぶ
プレゼンや「授業」そのものに通ずる表現形式

金原亭馬治師匠、2016宮崎の最終日。雨模様の中、毎度ながら地元で名物のうどんを食し、この日は県立宮崎南高校へと向かった。宮崎南高校は、現在大河ドラマ『真田丸』で主役を務める堺雅人さんや、巨人軍コーチとしてグランド上に倒れた木村拓也さんの母校である。地元の県立高校の中でも、受験熱の高い名門校といえるであろう。今回は、2年生理系の1クラス25名を対象に「落語ワークショップ」を開催した。担当の先生がこれに連なる授業として、村上春樹の小説を教材にして、「語り」「まくら・本題の構造」「一人称視点」などの文学的理論を基盤に据えた学習を展開していた。僕自身も火曜日にその前提となる研究授業を参観させていただいていた。こうした「理論的理解」に及びことができるのは、やはり小中学校では難しく高校であるからだろう。入門の講釈も一席の内容理解も、深いところまで及んでいた印象であった。

馬治師匠の一席の後に、「文字原稿」を配布し班別に担当箇所を分担する。「まくら」の部分をはじめとして「牛褒め」という古典落語に登場する「与太郎」や「おとっつぁん」「おじさん」をペアの中で役割を決めて、まずは原稿の「音読」を繰り返して音声化の練習。1班あたりの担当箇所はそれほど長いわけではないので、高校生なら比較的短時間で「読める」ようになる。次第に原稿を左手に持ち、右手では身振り手振りの所作をするように馬治師匠の指導が入る。「与太郎」を中心とする滑稽な会話を、生徒たちは楽しそうに「演じ」始める。練習時間20分、その後最終リハーサル5分を取り全体発表の時間とする。噺の中に登場する「与太郎」などの人物呼称は、すべて生徒たちの実名で行う。「おい!与太郎!」という部分なら「おい!佳文!」という具合である。その現実感と噺の世界が融合した時、実に楽しい表現が展開する。馬治師匠をはじめとして、参観者からは大きな笑いが起こり、生徒たちも活き活きとその表現に興じた。だが参観者を含めて、眼前のリアルな表現よりも手元の文字原稿を追う人が多かったことには、「やはり」という僕自身の気づきがあった。最後の僕からの講評で「みんさんは、文字が好きですね」と問いかけると高校生は意味深に考えるような表情を浮かべた。まさにこれが「現代人」の大きな課題なのである。客観的に外側から「文字依存」の自分を高校生にも顧みてほしい。会の最後は、南高校の卒業生である「ひむかーBiz」センター長である長友慎治さんから、後輩へ贈る言葉。「宮崎を旅立ち広い世界を見聞してきたら、いつか宮崎に帰ってきて欲しい」という体験的なキャリア教育とも言える内容で、会はめでたくお開きとなった。

馬治師匠は宮崎空港から帰京の途に
僕は次なる仕事の担当会議へ
反省も多々あれど「落語」で宮崎を元気にする活動は、また来年も続く。
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