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金原亭馬治落語会「営業トークは落語で身につく」

2016-11-16
「マクラ」で相手が聞く構えがあるかを窺い
一人ひとりの眼を見て訴えかける
本題に入れば「物語」世界の中で存分に語るということ

数えること3年目、宮崎に落語家・金原亭馬治師匠が今年も来てくれた。過去2年はおもに小学校を中心にワークショップを行い、子どもたちに笑いを提供し「伝える」ことの大切さを訴えてきた。今年は来年1月に開所する「ひむかBizセンター」のプレイベントとして「落語会&トークセッション」を開催する運びとなった。それも宮崎県出身で東京でお勤めであった長友慎治さんが、公募で当該センター長に就任することになったご縁からである。長友さんんとも、馬治師匠を通してちょうど昨年の今時分、大学近辺で酒宴をともにして以来の友人であった。「土地の縁とは人の縁なり」と短歌にあるが、こうした人の繋がりがこの地方では温かく実に温かく存在している。それはこの日の観客のみなさんからも存分に感じ取ることができた。僕が所属する短歌会の方で日向市在住の方もわざわざ足を運んでくれたし、お開き後に玄関口でみなさんをお送りする際の笑顔や握手を求められる姿に、これぞ「人情」といったものを深く感じ入った。これが僕をして「いま生きるなら地方」と思わせる温かい要因である。

さて馬治師匠も大サービスで前半の噺を2席は「子ほめ」に「片棒」、後半は「笠碁」。お仲入り前には、僕が聞き手となり「営業トークは落語で身につく」を約20分ほど。まずは「相手を聞く気にさせる」コツが馬治師匠から披露された。「先ほどやった最初の噺であたしはみなさんのことを落語が聞けるか試しました」と笑わせつつ、「マクラ」で一人ひとりの眼を見ながら会場と「対話」していくコミュニケーションをとっていたとの弁。約150名から入った観客のみなさんを落語世界へ、馬治の世界へと引き込むことの大切さを説いた。無駄な洒落や聴衆に迎合した話題をふることなく、むしろ観客のみなさんに「突っ込み」も入れながら「くすぐる」ような感覚が、古典落語を旨とする馬治師匠の持ち味でもある。営業のみならず、相手を「聞く気にさせる」ということは「学校の授業」でも同様に肝心なことだ。「聞かせる」のと「聞き気にさせる」のでは、雲泥の差であることを授業者は知るべきであろう。トークの中でも「学校の先生は話が説明的でくどい」ということを僕自身が馬治師匠に入門した際に指摘されたことを、あらためて確認する流れとなった。相手の心を動かすのはこれに尽きるのである。同時に僕自身もトークセッションの聞き手として「多弁は無用」であることを再認識する機会となった。

最低限の表現で聞き手を前のめりにすること
短歌の表現にも通じる内容となって牧水先生ゆかりの地に花を添える
「日向の中小企業を笑いで元気にする」に貢献できればと、また来年の再会を願う宵の口。
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