米大統領選開票直前にして
2016-11-09
「嫌われ者」同士の対決投票したい候補がいない
米国はいづこへ向かはむとしているのか・・・
長きにわたり選挙戦が展開した米大統領選も投票日を迎えた。空前絶後の「嫌われ者」対決、中傷合戦の繰り返し、果たして世界の牽引者たる米国の舵取り役が、このような過程を経て決定していいものだろうかと、首を傾げたくなることばかりの日々であった。少なくとも現大統領のオバマ氏が候補であった際の、あの他国民であっても「変革」に希望を求める興奮など微塵もない。オバマ氏が民主党候補としてヒラリー氏と闘った折には、まだ「黒人初」か「女性初」かという米国新時代を窺わせる光明が見えた。米国在住の親友に言わせると、ヒラリー氏は「既得権益の塊のような存在」だとして、民主党支持者の間でも嫌悪される傾向にあると云う。そして東海岸都市部であっても、自宅前に「トランプ氏」支持の看板を掲げる家も多いと云う。「東海岸都市部」と言ったのは、ニュースなどでの「赤」「青」の色分けでお馴染みのように、両海岸地域の都市部で「民主党支持」、面積の広大な中西部地域では「共和党支持」という米国の二極化にも微妙な異変が起きているように感じられるからだ。だがしかし、僕自身もそうなのであるが、まさか「ジョーカー」の札が大統領になるとは、微塵も考えないという先入観が実は危ういことなのかもしれない。
果たして民主主義が機能しているのか?そんなことさえも問われている現状だと、あるTVニュースのレポートで観た。「投票したい候補がいない」のが本音であり、積極的に「この人に託したい」から投票するわけでもない。そんなシラけた選挙の状態は、今や米国だけのことではあるまい。そんな世相を反映してか、それとも傍若無人な候補が祭り上げられるからか、強権発動的で知性の鎧を被らず、破壊的な言動を繰り返す候補を「頼もしい」と感じてしまう風潮が世間には見え隠れしている。同時に「何をしても社会は変わらない」と考える保守的な発想に依存し、半ば「諦め」を伴った発想で自虐的な生活に甘んじてしまう。我が国でも「ニート現象」に始まり、「晩婚化」などの諸相は、将来の社会に希望が見出せないからに他ならない。すると原因は「外敵」にありと誤った情勢を煽り、「内側」のみを護ることに躍起になり、過去の栄光を取り戻そうと燃費の悪いエンジンを空ぶかしする指導者が支持されるようになってしまう。さすがに我が国では「ジョーカー」ほどの人物は登場しにくいのだろうが、その要素を持った人間が既に指導者的な位置で跳梁跋扈していることを、僕たちは忘れるべきではないだろう。
「米国主導」それ自体が過去なのでは
だが「リーマン」の折のような多大な影響の怖さ
国内情勢を含めて他人事ではない、と僕たち一人ひとりが思うことがまずは肝要だろう。
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