自分を支えるために書く
2016-10-24
研究に向き合うということ自分が何をどうしたいか見定めること
「書く」ことは人を支える
いつもそうであるが研究発表を聞くということは、自問自答の時間でもある。発表者の問題意識と、自己のそれとを向き合わせて、何を知っていて何を知らないかを見定めながら、己にしかない観点からどんな質問が可能かを模索する。特に発表題も多方面に及ぶ中古文学会などの場合は、その模索の振幅も自ずと大きくなる。この日も午前中の発表の後半は、「和漢比較」を視点とするものであったので、僕自身の問題意識とも通ずるものであり、質問者はすべて「和漢比較文学会」の会員の先生方であった。僕もその中の一人として短い質問をし、特に和歌の流れの中でどう位置付けができるかという趣旨のことを問い掛けた。もちろんこれは発表者への質問であるとともに、「自己」の「仕事」だという自覚を高めるためでもある。その問題意識の上で、まだ自分で「書いていない」ものを「書くべき」とあらためて心を奮い立てる時間でもあるのだ。
昼休みに大学の同窓の大先輩たる先生や院生と、昼食弁当をともにした。さる先生はいつも小欄に関心を寄せていただいている「熱心な読書」のお一人である。小欄に「ジムでのトレーニング」のことなどを記しているゆえ、その内容は「どんなことをしているのか?」といった趣旨の質問で場の話題が作られる。そうこう懇談していると「中村さんは(小欄を)書くことで自分を支えている」といったことを仰っていただいた。あらためて考えるとまさにそうなのである。「日々、自分は何をしたのか?」という実感を持つためにも、こうして「書くこと」を習慣化し、今なども大阪の空港で帰りの便を搭乗待ちしながら、この内容を綴っている。そして自分で「書いた」牧水研究の評論をさる先生にはお渡しし、この面でも自分の「書くこと」によって、あらたな面をご提供できたと思うことができた。
宵の口は再びゼミの卒業生と会食
初任者教員としての様々な話を聞いた
彼の中でそれらを「話した」ことが、明日からの糧になると信じるひと時であった。
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